内容説明
東京裁判パール判事は戦後日本をどう見たか。
東京裁判でただ一人、被告全員無罪の判決を下したインドのパール判事。彼は米軍の占領が解かれた直後の1952年に再来日し、広島をはじめ各地で講演と慰霊を行い、敗戦で傷ついた日本人を勇気づけ、大反響を巻き起こした。この時の講演録と博士の論文、そして田中正明氏の同行記をまとめた『平和の宣言』が昭和28年4月に刊行され大好評を博した。いまパール博士の思想解釈を巡って論争が起こっているが、博士の思想・信条を知る上で貴重なこの本を復刊する。巣鴨プリズンの戦犯を慰問し、講演先で会った遺児を抱きしめ、祈りを捧げる博士の姿は感動的である。平和主義者であったパール博士は東京裁判、そして戦後日本をどう見たか。
目次
第1部 アジアの良心―滞日同行記(田中正明)(パール博士の日本日記(真理喪失 アジアの流れに 法は一つ 不服従 パール地蔵 妻とともに 亡命の追想 紅い絨毯 恐怖なき心 仏心開眼 結婚の誓い 原爆の懺悔 戦犯家族 日本は私の恋人))
第2部 世界に告ぐ―講演録(世界に告ぐ―広島にて、世界連邦アジア会議における提言 再軍備、是か非か―東京大学における講演 平和への志向‐ガンジーの教養―早稲田大学における講演 戦犯釈放の法的根拠―唐協弁護士会館において 日本の法律家にあたう―大阪弁護士会館において 不公正の犠牲者 BC戦犯諸君に―巣鴨拘置所における講演要旨 仏陀のこころに生きる―法政大学における講演)
第3部 真理と平和―論文・評論集(サンフランシスコ条約の意味するもの 平和の仮面を剥ぐ 中共の細菌戦摘発問題 西欧文明と日本 日本・インド・中国の提携へ 世界に必要な宗教 アジア民族主義の思想的基調)
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
おゆ
櫂
ひでっち
田山河雄