内容説明
38歳になった彼女は、断固として12月24日からお正月休みをとることに決めた。
不思議な摂食障害を描く表題作ほか。
<もくじ>
母の夢、オセチアの夢
石鹸
逡巡、あるいは骨の記憶について
詰めもの
そうじする人
小屋
<著者紹介>
15年の海外生活を経て、現在津田塾大学勤務。
主な著者『オノババ化する女たち』『昔の女性はできていた』『きものとからだ』他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MJ
12
三砂ちづる先生の作品は初読。女性同士のやわらかな会話を論理的で硬質な文体で描く。コンテンツと文体とのコントラストでページ全体が輝いて見える。このような技法もあるんだと新しい発見。2020/05/05
つゆき
10
女同士の対話を軸にした6つの短編が収録されている。落ち着いた語り口なのに内容がすごく濃いんですよね。一気読みしてしまいました。実体験を伴った教示の数々、忘れて欲しくないことや語り継いで欲しいこと、誰も教えてくれないようなことが見事に描かれている。大変勉強になりました。2011/02/28
愛玉子
9
作者が理想とする女性性の形態は一昔前の日本にあるらしいが、随分と大らかで素敵な時代であったようだ。その当時、夫婦生活は妻側にとって苦痛を伴う義務でしかなく、しばしば暴力に晒され、子沢山で肉体的にも精神的にも疲弊し、あるいは子を産めず実家に帰されることもあった…という現実も存在したはずなのだが。女であることを大切にしようという主張には賛成だし、他の短編、特に『そうじする人』が良かっただけに、手放しの賞賛に疑問を覚える表題作が残念。でもこれ、エッセイではなく小説なのか。ではファンタジーということで。2010/04/02
姫林檎
6
現代社会についての考えを軸に書かれた静かな短編集。題名の意味を知ってドキリ。表紙のデザインの意味もわかってなるほど。2015/03/13
えっちゃ
5
装丁に惹かれて 短編集のエッセイみたいな感じだった。 女ってすごいね 「逡巡、あるいは骨の記憶について」で母親という存在のすごさに涙がでた いつか私も子供を授かったら共感できるかな とても聡明で素敵な女性 現状は程遠いけど、私もそんな風になれたらいいなって羨ましく思った 2012/02/18
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- 日本の城 改訂版 - 第5号