大人の本棚<br> ミル自伝

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大人の本棚
ミル自伝

  • ISBN:9784622080787
  • NDC分類:133.4

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内容説明

ジョン・スチュアート・ミルという存在を一言で表すのは難しい。多産のジャーナリスト、才気あふれる論理学者、哲学者、自由主義的な下院議員、最初の夫人参政権論者……「ヴィクトリア時代の火つけ役」とも呼ばれるミルは、父ジェームズの功利主義者のチャンピオンとしての志を継ぐべく父による英才教育を受ける。三歳にしてギリシャ語である。それゆえに生じた青年期の精神の危機、そして長年にわたる交際の末に得た理想の伴侶ハリエット。ベンサム、リカード等と付き合い、同時代の社会思想のみならず、明治以来の日本にも大きな影響を与えた思想家による自伝の古典が、格段に読みやすい新訳で登場。

目次

第1章 子供時代と早期教育
第2章 早期教育の内面的影響―父の性格と価値観
第3章 父の教育の最終段階―自己研鑽の開始
第4章 青年時代の執筆活動―ウェストミンスター・レビュー
第5章 精神の一大危機―思想の新しい展開
第6章 生涯で最も大切な交友の始まり―父の死―一八四〇年までの執筆活動など
第7章 その後の人生

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メガネ

14
幼少期の英才教育がすさまじい。14歳までの教育で同年代の20年先をいったという。大学教授というイメージでしたけど、東インド会社で働きながら、論考を投稿していたというとこに、驚きがありました。精神の危機というのは、誰にでもあるものですかね。2015/06/25

有沢翔治@文芸同人誌配布中

3
功利主義の哲学者、ジョン・スチュアート・ミル。彼はいかなる教育を受けてきたのだろうか。経済学者の父、ジェームズ・ミルから古代ギリシャ語を学び、八歳のころ歴史の本に興味を持つようになった。父親は職業柄、リカードやジェレミー・ベンサムとも親交があった。特にベンサムの影響は功利主義を語る上では欠かせない。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51533291.html2024/04/02

壱萬弐仟縁

2
次の一節はハッとさせられた。「今自分は幸福かと自問した瞬間に、人は幸福ではなくなる。幸福以外のものを人生の目的とすることが幸福になる唯一の道であり、そちらの目的の方を大いに意識し、吟味し、自問すべきである」(122頁)。巷では、どこでも幸せが取りざたされているが、もっと根源的に考える必要があることを気づかせてくれる自伝である。2012/04/05

wisewise

1
イギリスの民主制よりドイツの君主制に国民の教育と精神的成熟度から幸福という観点から評価しているのは、感心する。日本の民主主義政治制度が、混迷を深める今だからこそ、関心を持って読める。次は、「自由論」を読みたい。2012/09/09

Raynyan

0
自由論の考えに共感を持ち、どのような人物だったのだろう?と思い読んでみました。父親の英才教育を受けて育ったということですが、やっていることが凄いです。単にお勉強をするのではなく、常に自分の頭で考えることをさせられていたんですね。そのような教育があったからこそ、広い見識を持つことができたのでしょう。そのように考えて、考えて、考え抜いた先に思想というものが生まれるのだと思います。現代に思想家と呼べる人がほとんどいないことも頷けます。2016/08/04

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