新潮新書<br> 日本語の奇跡―〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明―

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新潮新書
日本語の奇跡―〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明―

  • 著者名:山口謠司【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 特価 ¥462(本体¥420)
  • 新潮社(2011/11発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106102448

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内容説明

「五十音図」に代表される論理的な〈カタカナ〉、いろは歌に代表される情緒的な〈ひらがな〉、そして中国から渡来した漢字。これらを巧みに組み合わせることで、日本人は素晴らしい言葉の世界を創り上げてきた。空海、明覚、藤原定家、行阿、本居宣長、大槻文彦……先師先達のさまざまな労苦の積み重ねをわかりやすく紹介しつつ、これまでにない視野から、日本語誕生の物語をダイナミックに描く。

目次

序章 「ひらがな」と「カタカナ」
第1章 国家とは言葉である
第2章 淵源としてのサンスクリット語
第3章 万葉仮名の独創性
第4章 『万葉集』が読めなくなってしまった
第5章 空海が唐で学んできたこと
第6章 「いろは」の誕生
第7章 仮名はいかにして生まれたのか
第8章 明覚、加賀で五十音図を発明す
第9章 藤原定家と仮名遣い
第10章 さすが、宣長!
終章 素晴らしい日本語の世界

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

52
漱石の『坊ちゃん』を数えた事がある。・・?「親譲りの無鉄砲で小供の頃から損ばかりしている。・・・」漢字9文字、平仮名13文字、句読点1、こんな風に数えたら、明治の文豪でさえ平仮名が多かった。最近の文章では、カタカナも多く、数字、アルファベット、+-=?等の記号と続き、稀にα、β等のギリシャ文字、絵文字なんていうのもある。1つの国民がこんなに多くの文字を使い分け・・というか折衷させて使用する例があろうか。これらを巧みに組み合わせる事で、日本人は素晴らしい言葉の世界を創り上げてきた。この文化を大切にしたい。 2013/03/10

HMax

25
「いろは」と「あおうえお」の成立を中心に、奈良・平安時代の世界の流れを学べる小ネタ満載の歴史新書。戦前はカタカナを先に学んでいた。魔訶般若波羅蜜多はサンスクリット語を漢字に音で写した中国風万葉仮名。平安時代初期に万葉仮名で書かれた万葉集が読めなくなり村上天皇が解読を清原の元輔に命じた。875年(空海死後40年)に冷泉院が火事になりなんと隋ー唐にかけての王室が保有していた書物に匹敵する量の漢籍17,000巻も燃えた、これも国風文化が始まった一因。室町時代ぐらいまでは折り「をり」、織り「おり」と発音が違った。2020/01/18

kenitirokikuti

12
図書館にて。日本思想史から本居宣長を読んで、そこから国学や日本語学の方に進んで本書を手にした。この著者は知らなかったが、パリやケンブリッジの東洋学を修めた人らしい。サンスクリット語の仏典が中央アジアでトルコ語系の翻訳者により漢訳される。日本や中国でも漢訳仏典をサンスクリット語の音を踏まえて読む方法が追及され、それは反対に日本語の音韻の変化を自覚させてゆく。アカサタナハマヤラワの順は浄厳『悉曇三密鈔』(1682)。ローマ字的な概念は、ずっと昔からあるんだなぁ。2021/07/14

六点

9
「んー日本語最後の謎に挑む」に続き読了。こちらでは「仮名の成立」と「合理的な発音表」の開発に重きが置かれている。配列自体に仏教的思想を込めたいろはが、字引を作ると些か引く時に面倒になるが、最初の音を読み上げていけば、比較的早く、目的の項目にたどり着く大槻文彦の『言海』はまさに革命的書物であったと思う。しかし、「を」と「お」の区別を発見し、弟子を上代特殊仮名遣の発見に導いた偉大な天才本居宣長は『ん』では頑迷な困ったおっさんに成り下がっているのだから、真、人は多面的に見なければならないのだなあと処世論的にオチ2020/12/12

もくもく

4
我ながらだいぶ勘違いしてました。日本語の音を、五つの母音と九つの子音の組み合わせでシステマティックに表現した「あいうえお」って言うのは、最近になって作られたモノで、「いろは」の方が古いように漠然と思っていましたが、考えてみれば五十音が決まってからでなきゃ、それを「一文字一回限り使って歌を詠む」ってパズルのような「いろは」は、作ることもできませんよね。五十音図は中国語・サンスクリット語の音を表現する「悉曇学」を参考に、日本語の音を表したモノで、平安時代に成立したそうです。なるほどね~ 実に興味深かったです。2016/04/07

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