内容説明
幸田露伴が問い、川端康成が追究した「温泉文学」とは何か? 夏目漱石、宮澤賢治、志賀直哉……名作には、なぜか温泉地が欠かせない。立ちのぼる湯煙の中に、情愛と別離、偏執と宿意、土俗と自然、生命と無常がにじむ。本をたずさえ、汽車を乗り継ぎ、名湯に首までつかりながら、文豪たちの創作の源泉をさぐる異色の紀行評論。
目次
第1章 尾崎紅葉『金色夜叉』―熱海(静岡)
第2章 川端康成『雪国』―越後湯沢(新潟)
第3章 松本清張『天城越え』―湯ヶ島(静岡)、川端康成『伊豆の踊子』―湯ヶ野(静岡)
第4章 宮澤賢治『銀河鉄道の夜』―花巻(岩手)
第5章 夏目漱石『満韓ところどころ』―熊岳城・湯崗子(中国)
第6章 志賀直哉『城の崎にて』―城崎(兵庫)
第7章 藤原審爾『秋津温泉』―奥津(岡山)
第8章 中里介山『大菩薩峠』―龍神(和歌山)、白骨(長野)
第9章 坂口安吾『黒谷村』―松之山(新潟)
第10章 つげ義春『ゲンセンカン主人』―湯宿(群馬)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せっぱ
1
近代以降の温泉舞台とした小説や漫画を紹介。舞台となった温泉には必ず足を運び各章末に情報がまとめられている。アクセス方法や列車の特等席についての記載まであり旅情をそそります。宮沢賢治の章がちょっとホラー仕立てで、筆者の読み取り方も含め興味深い。どの作品も手に取りたくなったが、とりわけ藤原審爾の「秋津温泉」を読んでみたい。2015/05/16
コロボ☆
0
厳選された温泉文学と温泉地についてのエッセイ。温泉と文学って何だかきってもきれない繋がりがあるようで、とても興味深く読みました。2009/09/21
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