内容説明
20代の頃の恋愛、作家デビュー、そして母との別れ……。川端康成の『掌の小説』に触発された著者が「ささやくように」書きつづった、美しく、ちいさな24の物語。私小説のような味わいを持つ掌篇のストーリーと切れを楽しみながら、人気作家の素顔を垣間見ることができる、あなたのための特別な1冊。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
81
ショートショートです。本当に短くて小さな物語が私小説のような味わいで紡がれていました。作品を書いた経緯もつづっていて読みやすかったです。全体的に切なさとあたたかさを感じるのは石田作品ならではですね。2016/05/08
ユカ
46
石田さんの、一つひとつに対する解説つき掌篇集でした。小説ができあがるまでの、石田さんの思考が書かれたものが一番印象に残っています。石田さんはこんなふうに執筆してるんだな〜と。小説は書けなくてもいいから、石田さんみたいに悲しみも楽しみも受け入れて乗り越える強さがほしい。楽天家かあ…。この本はあらゆる種類の掌篇が詰め込まれていて、気が散りやすいわたしに向いてる。ただ石田さんのエロスはもうお腹いっぱいかな(笑)。2014/12/05
りゅう☆
37
1冊に24話も収めたショートショートストーリー。石田さんの実話からアレンジした物語やエッセイ、そして各物語に石田さんのまえがき(私はあとがきとして読んだが)あり。第1話の「ナンバーズ」のまえがき読んだ後いきなりこの小説に衝撃を受け引き込まれた。「片脚」「左手」など最初は意味が分からなかったけどこういう話もありかな?と思ったり「短編小説のレシピ」で石田さんがどのように短編小説を生んでるか、そしてその完成品が「最期と最期のひとつまえの嘘」だったり、とにかく飽きがこない。石田さんにはどんどん短編集書いてほしい。2014/02/04
yanae
29
石田衣良の掌編小説集。1つのお話しが、原稿用紙10枚で書かれています。本の紹介に「私小説」的な説明があるけど、重い感じではなくて、自分の人生で体験したことを題材にして、別物の小説を書いてくれてます。それぞれのお話しに入る前に、どういう経緯でその物語を書いたかを説明してくれててそれもすごくおもしろかった。 思ったよりもとっても楽しい1冊でした。石田さんのことも色々わかるし。本も作者にも魅力を感じました。おすすめ。2013/03/17
かいちゃん
28
久しぶりの石田衣良さん。 ショートショートでした。隙間時間にサクッと読めて読後感もよし。2020/06/05