内容説明
青山の高級エステ『ヴィーナスの手』。敏腕オーナーの京子にヘッドハントされた麻美は辣腕エステティシャンとして頭角を現し始める。この店にはかつて加藤サリというカリスマエステティシャンがいた。そのサリは六年前、何者かに自宅で殺害されたという。生まれ持った「手」の適性と高い技術、人間性も含めて〈サリの再来〉と賞される麻美。だが麻美は密かにサリを超えたいと願うようになる。京子の夫で健康食品会社社長の安芸津弘庸や、その愛人でキャバクラ嬢のアリシア、ヴィーナスの手の客で日常に満たされぬ思いを抱くOL・舞、麻美の同僚・結花と真子、そして弘庸と前妻との子で謎めいた美青年・柊也などの人物たちが複雑に関わりあいながら、物語は展開する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ピロ麻呂
34
作者買い。有名エステサロンでの女同士のドロドロとした争い…羨望、嫉妬からの陰湿な嫌がらせは、どの時代、どの業界でもあるんだろうけど。それにしても1回数万円もするエステってそんなにいいもの?美を追求する女性の気持ち…男には分かりません~(^_^;)2020/02/26
KAN
19
長編ですが、厚みは全く気にならなかったです。テンポよく進みます。歪んだ愛情は怖いです。2018/07/29
安曇
13
舞台はエステ業界。群像ミステリーなので視点が変わると人の印象もガラッと変わるのが、面白いです。単行本の出版が10年前ということで施術方法に古さは感じますが、嫉妬や美への執着などが巧みに描かれていて一気読みでした。謎の死を遂げたゴッドハンドを持つ女性。神秘的だったのが動機が解ってしまうと、才能に驕った我の強い女性だったのが残念でした。2016/12/20
2Tone
7
エステサロン、『ヴィーナスの手』にスカウトされた、麻美と店長でもある京子。この業界の裏側や、エステに通う心理なんかも楽しく読めました。例えが変ですが、小説らしい本です。永井さんの本は、結構読んでますが、まだまだ読みたかった作家さんです。しばらくしたら、残り少なくなってきた未読の本も読みます。 2018/06/26
だけど
7
とりあえず、二件目の殺人事件が起きなくてホッとしました。 でも、殺人はねぇ。若干のやりすぎ感はありましたが、麻美さんの恋愛のブレがなかったことにヨシとします。2015/06/04




