内容説明
世界は食べものであふれている。でも、ひとによって食べてはいけないものもある。食にまつわる世界のタブーを、写真家として多くの味に触れた著者が語る、空腹感いっぱいの一冊。
目次
1 豚のカレーと遊牧民の羊
2 アリの卵の和え物に鯨の竜田揚げ
3 タマネギを食べることは殺すこと?
終章 アナタとはアナタが食べるもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
301
タイトルからは食品添加物の問題を告発するように見えるが、実は食にまつわるタブーを実践的に語ったもの。ヒンドゥー教徒が牛を、イスラム教徒がブタを食べないことなどがよく知られている。今の日本では、そうした宗教的な禁忌はないが、近代以前は半ば菜食主義者のごとき食生活を送ってきた。すなわち、米と味噌を基本とした食であった。森枝は、そうした風土における食のサイクルを重視する。例えばインドでは、乳と豆、そして豊饒な野菜と香辛料が菜食を可能にしたと考えるのである。旧約聖書やイスラム教徒の場合も、そうだとまでは⇒2024/08/12
ぽっか
6
ベジタリアンは野菜だけを食べるという思想ではない。何を食べてはいけないかという点で文化を見ていくほうがその文化を適切に理解できる。というのが著者の主張。世界各地の「食べてはいけない」もの、その理由を探っていくと本当に面白い。地理的、宗教的、歴史的、様々な影響がからみあって食文化を形作るのは、まさに構造主義!スペインで豚食とワインが盛んだったのはイスラム勢力との対比の意味合いもあったんじゃないかとか、インドではそもそもタンパク源が豊富だったからこそ肉食の必要がなかったとか、トリビア的な感覚でも楽しめる。2019/08/19
ジュースの素
6
本の題名は清くてシンプルだが、世界には宗教、地域などいろいろな禁忌で食べられない、食べてはいけない状況がある。 題名以上にとても深い内容で読み応えがあった。 ペットは食べられないか、寺などで行われる精進には「もどき」料理があるが、それに関しての考察はとても納得できた。世界の食事情に関する なるほどなレポートだ。2014/12/27
aki
6
食べ物について書かれた本を読むとどうしてもお腹がすく2014/06/30
でおでお
6
You are what you eat. これが本書の結論である。「あなたが食べるものがあなた自身」とは、食べるという行為が単なる個人的な嗜好のみならず宗教的倫理感や個人的、家族的、地域的倫理感によって左右されるからだ。菜食主義者が世界の中でインドに圧倒的に多いのは、「穀物+豆・乳製品」という食体系が確立されていて、肉なしでも十分やっていけるからであり、東南アジア以東では「米+魚」の体系が根付いているために菜食主義に移行しにくい、との説明には深く納得。2007/12/29
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