- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
宝を求め、サハリン・アムール川流域に進出する戦うアイヌ。激しい格差、サケ漁をめぐる内部対立、「日本」との交渉――社会の矛盾に悩むアイヌ。北の縄文から近世まで、常識を覆すダイナミックな「進化と変容」。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
108
『銀の滴降る降るまわりに』と『ゴールデンカムイ』の間で六点のアイヌに対する認識は成り立っていた。読者に対してこの本は、根底から認識を覆せしめ、アイヌ民族の歴史を相対化させる。中世から近世のアイヌ文化の村落遺跡で必ず出土し、家伝の重宝扱いであった「鉄鍋」を以て「鉄鍋文化」と呼称する事に賛成する。鮭は日本と交易品として重要だから、「食料の中の一つ」から選抜されたという知見も重要である。アイヌが鉄砲を江戸期に所有していたとか。もう目からウロコが掻き落とされまくる。ぜひ読まれたい。2022/06/01
Kentaro
29
「アイヌ」とは、アイヌ語で神に対する人間を意味する。 このアイヌ語を話す人びとは、北海道を中心にサハリンの南部と、千島列島は北東端のシュムシュ島まで、そして青森の一部にも住んでいた。一八〇四年のこれら地域(ただし千島はクナシリ島まで・青森は除く)のアイヌ人口は二万三七九七人であり(『アイヌ政策史』)、その後は減少したが、二〇〇六年の時点では二万三七八二人を数える(北海道環境生活部調査)。本州では青森の一部だけでなく東北北部一帯に広くみられることから、アイヌ語を話す人びとがかつては東北北部一帯にも住んでいた2024/05/30
Porco
22
アイヌの歴史について、ほとんど何も知らなかったことを思い知らされました。交易という切り口で、考古学や文化人類学、それに文献史学からのアプローチを組み合わせて、定説に疑義を挟んだりもしながら、実態を明らかにしていきます。2018/09/30
サケ太
21
アイヌに対するふわっとした認識を固めてくれる良い本。「宝」という観点から形成されたアイヌの階層社会。アイヌがどのような政治体型、文化体系を経てきたのか。格差、内部対立など、「ゴールデンカムイ」でも描かれていたような部分が垣間見られ面白かった。北の縄文から近世までの進化と変容。交流と交渉。平和な民族ではない。彼らには彼らの文化の進化があり、強さがあった。2022/05/15
ぽんくまそ
10
アイヌに平和民族幻想を抱く人(縄文が破れてから戦い始め利権と威光を求める)を、逆に本州でいう鎌倉時代からはじめて北海道が擦文時代が終わってからアイヌ民族登場などというという学界ムラでの学術用語を鵜呑みにしてそれ以前のアイヌ存在を否定する日本国家主義者小林よしのりと真に受けたアホ(自民党札幌市議会議員)にも読んでもらいたい。擦文時代も後縄文時代も北海道のアイヌはアイヌだ。平安人、鎌倉文化人そして日本文化人(日本の風習のほとんどは東山文化)なのだぞそれなら日本人は室町以前いませんでしたと言わなあかんぞ小林。2020/02/09




