内容説明
戦わざるをえなかった“銃と日本人”の物語! 日本史上初めて鉄砲が有効に使われた戦といわれる長篠の合戦、関ヶ原の戦いでの島津勢の決死の退却、坂本龍馬の命を護ったスミス・アンド・ウエッソン、新政府軍と戦った二本松少年隊の悲劇、南太平洋の孤島で繰り広げられた名もなき日本人狙撃兵の孤独な戦い……。“銃器と日本人”を描いた傑作短篇集! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんこい
6
銃があっても刀や槍に勝てないと信じこまれていた時代から、銃が大きく戦いを変えるまで大分時間がかかって、長篠の勝利も幕末や明治には忘れられたのか。ともあれ合戦や人物以外の切り口で戦国から第二次大戦まで描く力はさすが。二本松藩の戦いは知らなかったな。銃剣と香水が好み。2014/10/25
えるまぁ
1
長篠の合戦から関が原、坂本竜馬の話を経て維新、馬賊、太平洋戦争、と、銃とその射手にスポットをあてた短編集。特に最後の「木の上」太平洋戦争の狙撃兵モノは20年前近く前に書かれた短編作品だが、狙撃兵同士の戦い"しか"目にしてこなかった私にとっては斬新だった。主役を張る彼我の狙撃兵は、しかし只の一兵士に過ぎない、というドライな切り口。面白かった。2012/11/17
キット
0
94点2015/01/22
鐵太郎
0
火縄銃は、徳川政権の非武装化政策(あえて「平和政策」とは言わない)により、殺戮兵器としては形骸化したのち、権威の象徴の役割も刀剣に奪われ、一部の例外を除くと美術・骨董価値だけのものとなり、技術的な発展は趣味的なもの以外皆無となります。では、それ以後の銃は日本人にとって何だったのか。幕末・明治の動乱の中で、西欧式軍隊の装備として導入された新規のものだけなのか。東郷氏のこの短編集は、戦国時代から現代(近代ではない)に至るさまざまな場面での、銃と銃を扱った兵士たちの物語です。2008/03/01
けやき
0
「銃隊」「退き口」「撃発」「墨染」「銃剣」「電信鉄砲」「香水」「蓬壺」「木の上」の9編。 剣聖、剣豪、剣客、剣鬼と剣の道の使い手の話はたくさんあるけど、銃の名人についての列伝は珍しいと思う。 「銃隊」「退き口」が戦国、「撃発」「墨染」「銃剣」が幕末、「電信鉄砲」「香水」が明治、「蓬壺」「木の上」が昭和。 「退き口」は関ヶ原から脱出する薩摩武士の<捨てかまり> 「撃発」は龍馬が所持したS&W(スミスアンドウエッソン) 「銃剣」は二本松少年隊 「香水」は桐野利秋。 2009/07/17
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