内容説明
これまで数多出版されてきたロッキード本と本書が決定的に異なる点は、捜査に従事した主任検事・吉永祐介と四十七人の特捜検事たちの、一人一人の「人間像」が描き出されている点だ。あの時、吉永を筆頭とする特捜検事たちは何を考え、どう動いたのか。厚いベールに覆われてきた「最強の捜査機関」の内幕がいま、明らかになる。
目次
第1章 二月―事件発覚
第2章 三月―児玉臨床尋問
第3章 四月―高官リストを手に入れろ
第4章 五月―突破口
第5章 六月―キーマン逮捕
第6章 七月―兵(つわもの)たちの戦果
第7章 七月二七日―vs.田中角栄
第8章 八月―五億円のゆくえ
第9章 九月―灰色高官
終章 長すぎた裁判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
7
たぶん現在の検察と、ロッキード事件の頃の検察とでは、事件を追う手順がそもそも違うのだと思う。現在の検察は、まず大物を起訴するという目標が先にあって、捜査が走り出し、証拠を発掘していくという流れ。しかし、ロ事件はそうではない。まず、アメリカからもたらされた容疑が浮かび上がり、そこから地道に証拠を探っていく中で、いつしかその先に大物の姿が浮かび上がってくるのだ。それでもなお、検事達はコトを焦らない。まるで石橋を叩くように、捜査を進める。プラスの証拠だけでなく、マイナスの証拠も徹底的に調べていくのだ。(つづく)2010/10/24