内容説明
僕達に、生まれてからの記憶はない。左眼のバーコード、ドッグタグ、十六歳。それだけが、僕達のアイデンティティ。何をしても自由、モノに溢れたこの街では十七歳になると、みんな消えてしまう。一花の十七歳のバースデイまで、あと一週間。壁に囲まれた永遠に真夏のこの世界から、僕は彼女を連れて逃げられるのだろうか。〈十七歳の儀式〉を通じて描かれる、美しくも残酷な思春期の寓話。「教室」シリーズ、待望の完全版!※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
24
学生時代というある一定の時期を残酷に切り取った刃物のようなお話。青春は綺麗じゃないし、彼らは優しくない。ちょっと入って行きにくいな。2016/07/19
そのぼん
20
うーん、とても不思議な雰囲気の作品でした。説明をしようと思ってもなかなか言葉見つかりません。夏だけの世界や冬だけの世界で暮らす、少年少女のSFのような世界・・・とも表現すればいいのでしょうか。表紙の爽やかなイメージとも少し違って、10代後半の彼らの抱える重みみたいなものが描かれた作品となっていました。摩訶不思議でした。2013/01/28
橘
17
昔々に「冬の教室」だけ読んでいたようでした、微かに既視感を覚えました。儚くて残酷で、閉ざされているものの、好きな世界観です。「海辺の教室」でどうして「十七歳の儀式」が行われるようになったかや、何故こんな世界になったのかを初めて知りました。恐怖というより、悲しいです。2015/11/07
山犬
5
前々から気になっていた作品。残酷な描写は、あるにせよ最後は、儚げで美しい作品だと思う。2014/09/11
ニョンブーチョッパー
3
★★☆☆☆ 各話のつながりがわりと薄めで、読者の想像力に頼る部分が大きいと感じた。もう少し密接にリンクしていた方が好みだったな。2019/01/15