内容説明
本格保守、それは混迷の未来を切り拓く指針だ──。改憲や改革にばかりこだわる保守は、左翼的な進歩主義の影響を受けて生まれた「公式保守」、つまりニセモノにすぎない。「世の中はどこまでも良くなる」という近代的理性の限界を悟り、より深い叡智にめざめることこそ、社会や国家、いや世界をベストの状態に保つ鍵となる。フランス革命以後の保守の歴史をふまえ、明日への大胆な提案を行う画期的宣言。
目次
序章 見当のつかない時代
第1章 発端としてのフランス革命
第2章 始まってしまった「近代ゲーム」
第3章 先頭の自由主義、追う国家主義
第4章 二十世紀の行き着いた果て
第5章 本格保守の条件
第6章 社会は身体である
第7章 抜本的改革を成功させるには
第8章 新時代へのマニフェスト
終章 理性偏重から叡智の世紀へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
6
保守の志向は、急進主義に陥るのを避けつつ、近代社会に適応し、社会システムを望ましい状態に保つことだが、なり得ないことも認識するかつ、望ましい状態をはどのようなものか保守によってばらつきがある。望ましい状態をなるべく認識するためには、バランス感覚に富まなくてはならない。フランケンシュタインの話やアリスの話に深い含蓄が含まれているのを初めて知った。2015/07/09
脳疣沼
4
保守主義の保守とは、「機械を保守する」という言い方があるように、物事を正常な状態に保つことを言う。この本を読めば、保守主義とは何かを深く考える必要性を感じなくなるだろう。庶民はちょっとした矛盾などお構いなしに、逞しく生きていける。その姿は美しいと思う。くだらない論理を振りかざした挙句、日本はもうダメだ、などと泣き言を言う知識人なんてどうでもいいのである。とても良い本です。おすすめ。2014/12/07
MIRACLE
2
日本の保守のあり方について、守旧と変革の関係性を軸に、整理を試みた本。保守とは、正常な状態を維持すること(20頁)。公式保守とは、経済的な「変革」と政治・生活面での「守旧」をワンセットで掲げる素朴な保守思想だ(102頁)。日本では公式保守が、標準(=公式)として定着している(同頁)。一方、本格保守とは、変革を抜本と急進に分けた上で、妥当な変革で「正常な状態の維持」を図る保守思想だ(119頁)。筆者の結論は、公式保守からの脱却と、本格保守の確立というもの。大学生が大風呂敷を広げて書いた卒論レベルの内容。2018/08/12
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