内容説明
昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。
目次
黄土高原の旅情
黄土高原の戦場
戦場での死生観
山中行旅
大休止の風景
騎兵聯隊の教育
軍馬のこと
黄河へ
黄河畔の村
作戦間の事故
母親の顔
黄土高原に溶け込む
電報班と大行李隊
壕中の女兵たち
駐屯生活
部隊の解隊
部隊長の乗用馬
転属者たち
郁種とのめぐり遭い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
3
なんだろうな。うまく言えない。美しいんだ、いろいろなことが。戦争のただなかだというのに。敵地を侵し、命のとりあいをしているというのに。そういうことに美しいとかいう感想を持っちゃいけない気がするけど、でもそこにいた人びとのありようを否定することもしてはいけないと思うんだ。だからなんといえばいいのだろう。しかし、日露戦争ならいざしらず、原爆まで投入されるような時代においても騎兵連隊が突撃してたとか、中国内も一枚岩でないとか、戦争の実態をしっかりと把握していくために知るべきことが、まだまだいっぱいだ。2015/02/09
wasabi
0
騎兵聨隊に所属し、軍馬とともに戦った幾年。自叙伝であり、後世に史実を正確に伝えるために、極めて正直に書かれているというが、改めて温もりのある著者の人柄が伝わってくる。2008/08/28
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