内容説明
なぜ彼はあんな妙な所に住まうのか。新聞記者の秘密とは?(表題作)。夫がいつの間にか双子の弟と入れ替わっている! 妄想に囚われた夫人の恐怖(双生児)……横溝正史は短篇の名手でもあった。当初、江戸川乱歩名で発表された作品を含む傑作集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまちゃん
7
江戸川乱歩名で発表された作品が入っているとの事で手に取った。う~ん、乱歩ほどのオドロオドロしさはなかったかな?。全体的に「世にも奇妙な・・」で出てきそうなお話ばかり。でも考えたらこちらが先なので、世にも~が真似した感じなんですよね。2016/10/31
hanchyan@ふむ……いちりある
7
高校の頃以来の再読。若僧の時は単純に昭和初期のディレッタンティズムにほんわかとなってただけだったけど、今回は「ああ、分かる・・・」って部分が多々。“二重生活”とか“変身願望”とかへの共感・憧憬が切実になってくる分だけ、齢とってから読んだ方がたぶん面白いっす。この短編集についてだけは、角川版よりこっちの装丁のが良いとも思いました。2014/01/03
kinshirinshi
4
O・ヘンリを連想させるユーモアとペーソスに富んだ話から、ホラー、悲劇、変身物語など、初期の奇譚を集めた短編集。共通しているのは、「非日常」に魅せられた人々の話であるということだろう。「あちら側」へ行ってしまった人間は、悲劇的な結末を迎えるか、あるいは余人には理解し難い恍惚を得るかのどちらかだ。反対に「こちら側」に残った人間には、そこはかとない虚無感が漂う。「ときどき彼はふと淋しそうに奥歯の金冠へ指を持っていった。そこにはもう楽しい宝石の夢は後かたもなくなっているのだった」(『秋の挿話』より)。2020/08/15
moon-shot
3
奇譚集と言うのが一番ふさわしい、横溝先生の初期の作品集。実に様々なテイストが混ざっていて面白い。ヒッチコック風の「双生児」、ホームズ物を連想させる「秋の挿話」、乱歩の雰囲気むんむんの「角男」などなど。私が好きな作品は、回転木馬のファンタジーになっている「川越雄作の不思議の旅館」と、横溝調の語り口の萌芽が見られる「丹夫人の化粧台」です。猫の鳴く夜は恐ろしい!2021/08/20
sayjick
3
江戸川乱歩のゴーストライターとして横溝正史が書き上げたという「あ・てる・てえる・ふぃるむ」を目当てに読んだ。お目当ての話も面白かったが、その他の、理屈も真実すらも最後までわからない怪奇な話が印象的だった。双生児の片方と結婚する話が特に好きだった。2014/03/25
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