創元推理文庫<br> 三人目の幽霊 落語シリーズ1

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創元推理文庫
三人目の幽霊 落語シリーズ1

  • 著者名:大倉崇裕【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488470012

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内容説明

落語専門誌「季刊落語」の編集部は総員二名。入社早々配属された間宮緑は,その場で辞表を書こうかと世をはかなみかけたが,何とか気を取り直した。唯一の上司兼相棒は,この道三十年のベテラン牧大路。二と二を足して五にも十にもしてしまう,並外れた洞察力の主である。牧編集長にかかると,寄席を巻き込んだ御家騒動や山荘の摩訶不思議,潰え去る喫茶店の顛末といった“落ち”の見えない事件が,信じがたい飛躍を見せて着地する。時に掛け合いを演じながら,牧の辿る筋道を必死に追いかける緑。そして今日も,落語漬けの一日が始まる……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

114
落語シリーズ1作目のミステリ短編集。どの話も落語ネタを絡めているのが嬉しい。さらに作中で起こる不可解な日常の謎をスパッと解決していく様がなかなか見事。探偵役の牧編集長の真相を見抜く洞察力の切れ味が鋭かった。一緒に見聞きしているワトソン役の緑(と読み手)を置いてけぼりにする感じで、解決編で全容を知ってなるほどとなる。中には切れ過ぎではというのもあったかな。落語はその場の一発芸。その落語を観ることと目の前で起きた事件を瞬時に的確に捉えて推理することには共通の能力が必要という牧の語りに思わず唸らされた。2020/01/03

aoringo

81
初読みの作家さん、デビュー作。マイナー雑誌の編集者が落語にまつわる謎を解き明かす。主人公たちに派手さはないけど人の死なない日常の謎を気楽に楽しむことができた。そんなに時代は気にならないのだけど、携帯のない頃の古い作品なので続編は手に入りそうもない。続きは図書館にお願いしようかな。2023/09/08

aquamarine

76
今や福家警部補で有名ですがこれは著者のデビュー作だそうです。落語を全く知らないのに「季刊落語」に配属された緑と編集長牧が落語を通じて出会う謎を解いていく短編集。落語に関する話は読んでいてとても楽しく、知っている落語も初めて知る落語もきちんと聞いてみたくなってきました。落語界の人間関係なども含めかなりひきこまれて読みました。謎解きは少々強引と思われる部分はありますが、さくさくと読みやすかったです。デビュー作でもさすが大倉さん、この一冊の中でもどんどん上手くなっていくのがわかるのでシリーズの続きが楽しみです。2015/10/20

セウテス

71
落語シリーズ第1短編集。「季刊落語」に配属した主人公間宮緑と、ベテラン編集長牧のコンビが謎を解く5つの連作短編集。タイトル作は、デビュー作品。長年確執から仲が悪かった落語界の一門同士が、手打ちを記念して二門会を開く。しかし会が始まると、様々な寄席への妨害が行われる「三人目の幽霊」。意外な犯人と、落語の蘊蓄や物語そのものも噺を聞いている様な愉しさが在る。中では「崩壊する喫茶店」だけが、落語に関係しない物語。本作はミステリ好きなら、気がついてしまう名作からのトリックだが、牧が謎解きに苦労するのは一寸笑えます。2017/10/23

はらぺこ

70
『季刊落語』の編集部員・間宮緑と編集長・牧大路が謎を暴く連作短編集。落語を題材にしたミステリーかなぁと思ってたので少し拍子抜けした。嫌いじゃないけど短編やから展開がサクサクしてたのが勿体無いと思う。2013/07/15

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