文春文庫<br> 秋好英明事件

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文春文庫
秋好英明事件

  • 著者名:島田荘司
  • 価格 ¥1,119(本体¥1,018)
  • 文藝春秋(2014/09発売)
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  • ISBN:9784167480066

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内容説明

昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

流竜会

41
渾身の793枚。あとがき含む。あとがきを読まないと本作は完結しない。この時代は、作中にもあった「連合赤軍」や「青酸コーラ無差別殺人事件」「三菱銀行籠城事件」等、世間を震撼させた事件の多かった時代。さすがに前時代的な人権無視の冤罪は影を潜めたかもしれないが、教育、家庭環境の格差の波をもろにかぶった年代が「大人」になった時代。英明の人を信じる心、富江の幸せを願う心は、共振する時間が短すぎて同時に濃密すぎて、相互憎悪にまで落ちたのかもしれない。あとがき最後の1行に、この国の、私たち一人一人の課題を見ました。r2015/06/09

ひで

13
片方の意見だけでは、判断のしょうが無い。真実は、本人達にしか解らない。2016/09/19

ブラックジャケット

12
昭和51年福岡県飯塚市で起きた内妻一家四人殺害事件の犯人秋好英明の半生を克明に描いたノンフィクション。英明自身は満州で生まれているが、大分県に実家があった。弟を亡くす悲劇を経て大分に引き揚げ。英明の個人史なのだが、著者は日本の戦後を濃密に書き加え、英明視点から貧乏日本人の実像を描いていく。行き着いた果ての殺人事件だが、著者は英明の主張に賛同した。内妻の富江が三人殺し、自分の殺人は一人だけという。詳細に事件当夜を再現し、英明、富江の言動を追う。本の裏表紙に日本の「冷血」と評した惹句があったが、納得の巨編。 2021/06/27

Ayah Book

12
兎に角長くて島田荘司さんの熱量を感じられるノンフィクション。一家四人を殺害したとされる秋好英明、果たしてその真相は?という内容。事件よりも序盤で語られる少年時代の描写に涙。。。こんなに頑張って生きてきた少年が何故?と人生の虚しさを感じた。2019/08/19

shiggy

6
長い話でした。秋好氏の死刑の正当性云々というよりも、警察、検察、裁判所など、一度動き出したものはどれだけ不条理でも覆らないという日本の司法の闇のお話かなと思う。秋好氏の不遇の人生はとても読んでいて痛みを伴った。2019/10/18

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