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内容説明
「今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」という有名な句に始まるこの宣言は,階級闘争におけるプロレタリアートの役割を明らかにしたマルクス主義の基本文献.マルクス(一八一八―八三)とエンゲルス(一八二〇―九五)が起草,一八四八年の二月革命直前に発表以来,プロレタリア運動の指針となった歴史的文書である.
目次
目 次
ドイツ語版への序文 一八七二年(マルクス・エンゲルス)
一八八三年(エンゲルス)
一八九〇年(エンゲルス) ──一八八二年ロシア語版への序文(マルクス・エンゲルス)を含む──
英語版への序文(一八八八年 エンゲルス)
ポーランド語版への序文(一八九二年 エンゲルス)
イタリー語版への序文(一八九三年 エンゲルス)
共 産 党 宣 言
第一章 ブルジョアとプロレタリア
第二章 プロレタリアと共産主義者
第三章 社会主義的および共産主義的文献
一 反動的社会主義
a 封建的社会主義
b 小市民的社会主義
c ドイツ社会主義または「真正」社会主義
二 保守的社会主義またはブルジョア社会主義
三 批判的・空想的社会主義および共産主義
第四章 種々の反対党に対する共産主義者の立場
一八八八年英語版との対照
解 説
校 註
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプーン
51
ドイツの歴史的思想哲学書。全労働者階級に決起を促す激文。打倒ブルジョア階級。労働者が権力を握る事はヨーロッパ史を丸ごとひっくり返す事なので、野心的で挑戦的、超革新的でもあるが、私個人としては実はそれほど高尚さは感じられなかった。「ブルジョアに良いところなし」は本当か?2024/09/04
パトラッシュ
50
人は民族と階層と宗教を問わず金欲と物欲と権力欲にまみれた俗物であり、他者を支配し名誉と栄光を渇望する利己主義者だ。そんな人間に現実社会の矛盾を暴力革命で解放する理想を訴えた本書は、強烈な毒薬として浸透した。旧ソ連や中国などを見ればわかるが、権力を掌握した共産党を名乗る自称プロレタリアートたちは理想社会実現へのプロセスと称して強制収容所と秘密警察による恐怖支配で自分たちの欲望を満たすことしか考えなくなる。人は理性と正義に生きられるという前提で革命を呼びかけたマルクス主義の思想は失敗を運命づけられていたのだ。2020/03/13
Y2K☮
50
発刊は1848年。1870~1914年の西欧はイギリスを中心としたグローバル貿易の時代で、そこから派生する富の著しい不均衡や中産階級の貧困層への転落を予言。結果的に現代の新自由主義批判にも繋がる。「労働の不快さが増すにつれて賃金は下がる」「法律、道徳、宗教の背後にブルジョワの利益が隠れている」など鋭い見識の数々。他にも民主主義を重んじる表現が出てきたりプロレタリアの知的成熟を促していたり。著者の思い描く共産主義は武力革命こそ伴うがスターリン的な独裁政権ではなかったのかも。最も誤解されている知識人の一人か。2017/03/13
ビイーン
37
世界に大きな影響を与えた名著。日本では第2次世界大戦が終結するまで禁書だったという。「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」「万国のプロレタリア団結せよ」威勢がいい名言から当時の厳しい社会を変えたいという情熱が伝わってくる。本書は既に政治的な役割を終えたかもしれないが今の資本主義社会の欠陥を考えるための古典名著として度々読みたいと思う。2019/01/08
姉勤
32
王侯やキリスト教から解放されたかと思いきや、資本家と近代国家から搾取される当時は、多くの民に受け入れられたのは疑問はないが、スターリンや毛沢東、彼等のコピー、そして彼らの集合体のような中国共産党を経験してもなお信奉できるほど無知でもなく、若くもない。初めは理想を掲げようとも、有史以来ごく稀な聖人以外は利己的に動くという人間、というか生命体のカルマを無視した考えに、そして豊臣秀吉を以って万人の基準に据えるような、低階級者が主役たり得た際の万能感に、「完璧な理想」という最も恐ろしい旗印が振られない事を祈る。2021/12/04