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内容説明
21世紀最初の4月、世論を背景に首相に就いた小泉純一郎。靖国参拝、北朝鮮訪問、郵政解散など、政権の5年5ヵ月は、受動的イメージだった日本の首相を、強いリーダーシップを発揮し得る存在に変えた。一方で、政権は「抵抗勢力」=派閥・族議員、官僚と対峙する上で、世論を頼みとし、人々の理性より情念に訴え続ける。新自由主義的政策を強く進めた内政、混迷を深めた外交を精緻に追い、政権の功罪と歴史的意義を記す。
目次
第1章 小泉純一郎の政治運営(ポピュリスト的手法と「パトスの首相」
トップダウン型政策決定と「強い首相」 ほか)
第2章 内政-新自由主義的改革をめぐる攻防(経済財政諮問会議の機能
財政改革-予算編成プロセスの変化 ほか)
第3章 外交-近づく米国、遠ざかる東アジア(外務省の混乱-田中眞紀子外相と鈴木宗男
対米協力の強化-自衛隊の海外派遣 ほか)
第4章 歴史的・理論的視座からの小泉政権(戦後政治史のなかの小泉政権
首相のリーダーシップと制度)
第5章 小泉政権が遺したもの(「強い首相」の功罪
「パトスの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
12
タイトルのとおり小泉政権について書かれた本。やっぱり小泉政権以後の短命内閣を思うと長期政権のメリットがよくわかる。国民的な時代の要請が小泉首相に沿っていたのだなと思う。またそのような安定政権ができるまで(出来ても?)日本は大丈夫なのだろうか。2011/01/12
かんがく
11
私が物心ついたときの首相は小泉さんだった。「自民党をぶっこわす」をキャッチコピーに、派閥政治や鉄のトライアングルを否定し、竹中平蔵などの民間人を登用しながら新自由主義的改革を進展。トップダウン型の強い首相、テレビを通して無党派層に訴えかけるパトスの首相であるという。現在の安倍政権もこの系譜にあるということがよくわかる。政治の単純化は本当に良くないが、民主主義においては効果的。2020/01/17
おらひらお
7
2007年初版。歴代3位の長期政権となった小泉政権をポピュリスト的手法とトップダウン型政策決定の視点から分析したものです。筆致も安定していてかなり読み応えのある一冊に仕上がっています。いまだからこそ、小泉政権の意義と位置づけを冷静に再確認できるのかもしれません。また、小泉元首相の直感的鋭さが今も残っているとするならば、最近している脱原発の発言も耳を傾ける必要がありそうですね。ただ、外交面は東アジア外交を硬直化させた一面も持っています。 2013/10/22
takao
2
ふむ2023/11/29
中将(予備役)
2
1, 4, 5章の内容はその後様々なところで言及されていて何となく知っていた。細部を忘れかけている小泉政権の動きを纏めた2, 3章も、再び長期政権が到来している今読んで面白い。2019/06/08
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