内容説明
若い頃、私は嘘の証言をして、無実の人を死に追いやった。だが最近、ごく身近な人の中に真犯人がいるとわかった……。北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。通夜当日、北里財閥の社長達、婚約者の正彦、かかりつけの医師菊井親子らごく身近な人達が北里邸につめかけた。仮面の下に隠された真犯人の素顔。加奈子を巡る莫大な遺産争い。宏壮な屋敷を舞台に、恐怖の殺人劇の幕が開く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
51
2007年頃の購入本を収めた段ボール箱から発掘の<赤川次郎ベストセレクション>の6冊。何巻まで出たのかは不明だが、当時、少なくとも①~⑧までは購入したらしく、とりあえず、③『悪妻に捧げるレクイエム』(先月読了)から順次、かなり久々の再読を愉しんでいる。買い揃えのキッカケは、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)で知った中村佑介氏のカバーイラスト(本書も申し分なし)。さて本書。物語は、限定された場所(大邸宅の居間と奥にある隠し部屋)だけで展開されて、実に演劇的。1984年、渡辺典子・主演の映画も悪くなかった。2025/03/13
『よ♪』
49
サクっと読めて楽しめたけど…。富豪の勝気な一人娘、その親の死というのは赤川さんお約束(?)。そこは面白さとは別だからいいんだけど何か足りない印象。転がり込んだ殺人犯。親の会社を我が物にしようと画策する雇われ社長たち。ちょっと間抜けなその息子。イケメン風や使用人、他諸々。そんでわりと早いうちから「こいつ怪しくね?」と気づいちゃう(赤川作品はわりとどれでもそう?)。あ、そうそう!一番特徴的なのは、このお話基本的にお屋敷の広い居間のなかだけで進行します。舞台のお芝居みたいな雰囲気なのです。んー、なんか惜しいね。2021/02/25
湖都
10
変わり者で仕事ができる女社長である母を亡くしたばかりの女性が主人公。そこに殺人鬼が逃げてきたとか、母は昔人を殺したとか、子会社の経営問題とかが絡み合ってくる。とは言え、ストーリーは簡単。登場人物も数が少なくキャラが立ってるので、読みやすい。犯人すらわかりやすい。けど、なぜ主人公が恋に落ちたのか?とか、結局タイトルの意味は?とか、疑問は多い。読書慣れしていない方の練習にはいいかも。2018/06/25
kaizen@名古屋de朝活読書会
9
本文の会話の中にも出てきますが, 主人公はお金持ちのお嬢様とは思えぬほど, 人間ができていて,我が儘ではない。 こんな理想的な人がいるとはとても思えないが, 著者の理想像なのだろう。 親が亡くなったところから話がはじまり, 同じ日に自宅で殺人事件が起こり, 同じ日に,殺人容疑の人が逃げ込む。 はたまた同じ日に非公式の婚約を破棄している。 一生のうちで1度あるかないかのことが,4つも1日に凝縮されているところから始まったので, 後は安心して読みするめるところがよい。 2011/08/16
ちゅった
4
たぶん、再読。大昔に読んだような、でもぜんぜん記憶に残ってない…だが、赤川次郎はそこがいい。何度でも楽しめるし、何度読んでも退屈しないそこはかとないユーモアと、強烈すぎない(ため、記憶に残らない笑)トリック。 電子で2時間ほどで読了。楽しい時間でした。2021/10/19




