村上春樹短篇再読

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村上春樹短篇再読

  • 著者名:風丸良彦
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • みすず書房(2007/04発売)
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  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622072904
  • NDC分類:910.268

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内容説明

村上春樹ファンには、とりわけ彼の短篇が好きだという人も多い。この作家の短篇小説には、〈短篇〉という形式において、長篇とはまた異なる、比喩や象徴性に優れた村上ワールド独特の魅力があるからだ。著者は、村上春樹作品をデビュー作「風の歌を聴け」(1979年)以来、「自分たちの物語」として鮮烈に受け止めてきた、コアな読者世代。村上春樹と共に同時代を呼吸してきた感覚による読解は、ほかの研究・批評書とは異なる肌理をもち、本書自体が、村上春樹のテイストを有している。村上春樹の小説を、仕掛け共々、隅々まで楽しめる評論である。村上春樹の短篇15作品と、村上訳のアメリカ短篇小説3本(カーヴァー、フィッツジェラルド)を、春樹ファンに向けてディテイルに踏み込んで語る。コアなファンが非常に多い村上春樹作品を味読再読するには格好の書。普通の読み方では飽き足らぬハルキリーダーにとって打ってつけの一冊。

目次

緻密に記憶された過去―「午後の最後の芝生」
誤謬、あるいは小説の仕掛け―「中国行きのスロウ・ボート」
語り手の気づかい、あるいはおせっかい―「納屋を焼く」
フーコーを読む「私」―「眠り」
呪縛からの解放―「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」
長篇小説の始動モーター(1)「螢」
長篇小説の始動モーター(2)「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
足された「、」―「めくらやなぎと、眠る女」
青少年向けのテクスト―「沈黙」
映画化された村上作品(1)「トニー滝谷」
映画化された村上作品(2)「四月の晴れた朝に100パーセントの女の子に出合うことについて」
話してもらいたがるスケッチ「ハンティング・ナイフ」
ブラジャーをはずす女「蜂蜜パイ」
メタフィクションの作動『東京奇譚集』
母による子殺し、あるいは村上春樹によるラカン「緑色の獣」
ズレる二項対立「ささやかだけれど、役にたつこと」(レイモンド・カーヴァー著/村上春樹訳)
もうひとりの「集める人」 「収集」(レイモンド・カーヴァー著/村上春樹訳)
名作の再訳「バビロンに帰る」(F.スコット・フィッツジェラルド著/村上春樹訳)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

林 一歩

12
可もなく不可もなし。東京綺譚集のメタフィクションに係る考察はGJ。2015/06/27

KASAO

7
大学の講義を思わせるような、村上春樹の短編読解本。といっても、専門的な小説の形式と組み合わせた方法論が展開されるので、納得できるかは個人差があると思います。個人的には「沈黙」と「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」の考察が面白かった。主人公が別のキャラクターの話を聞くことで、読者にフィクションをノンフィクションのように錯覚させること、小説を読む時間をそのまま映画の進行時間に置き換える試みなど、小説という媒体の可能性を感じさせられました。2012/10/29

奥山 有為

2
自分では読み解けないしなんか分かんないけど大好きっていうファンに取っては、わかりやすくて、また適度に文学的な内容も解説つきで出てきて満足です!2012/02/14

あつもり

2
再読。村上春樹の短篇の一節が抜粋されて、その後に解説、評論が続くというスタイル。抜粋部分を読むだけで村上春樹の短篇をまた読みたくなります。評論はなるほど、と思うところもあるし、そうかな、と首を傾げるところもありましたが、オリジナルの短篇を再読したくなるという点で、成功のような気がします。 装丁もみすず書房らしく、落ち着いていてかっこいいです。2011/10/16

Arol Color

1
午後の最後の芝生はよかった2021/07/29

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