内容説明
新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは? 「あなたが犯人!」を見事に成立させた、衝撃の書。読後に驚愕必至の第36回メフィスト賞受賞作! (講談社ノベルス)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
68
真犯人は本を読んでいる読者その人、という挑戦的なミステリです。古今東西のミステリで、実は探偵が犯人でした!等、意外や意外の犯人当ては数々あれど、本作品が示す犯人像は過去に例を見ません。まさに、ウルチモ・トルッコ(究極のトリック)です。作家である「私」に、持ちかけられた”読者が犯人”というアイディア。その対価は1憶円!さて、その方法とは・・・。一見無関係と思われる超能力談義を含め、上手くまとめてくれました。なるほど、こういうトリックがあったとは!なお、本作品は、『最後のトリック』として改題されています。2020/03/08
かんらんしゃ🎡
58
犯人はあなただ!って。私は本を読んでいただけなんです。ホントです。謎の手紙も超能力の話も面白いなあと読んでたんです。女房もずっと隣にいました。信じてください、刑事さん。それがこんなことになるなんて…。えっ、他にも容疑者がいるんですか。私、詳しくないんですけど、こういうの共同正犯と言うのですか、単独犯より罪を軽くしてもらえるんでしょうか。10万人の読者がいるなら刑期は10万分の1で許してもらえないでしょうか。お願いします。そうですか、刑事さんにお願いしても駄目ですか。2018/01/29
とら
56
メフィスト賞受賞作。深木黎一郎さんも気になっていて、それに加えてこの小説の内容「読者が犯人」である、ということ。どんな感じでくるのかと期待でした。読んでる途中が凄い面白いんですね!3つくらいの物語が同時に進行していて、そのどれも先が気になる。でも...何というか期待のしすぎか、最後にあっ!と驚きはしなかった。その世界にいて実際にその件の朝刊を読んでいたならわかるんですがwそれでも途中の恵利佳との青春、博士の皮肉等、やはり面白かった!でも少しタイトルで損をしている様な気もしなくもないです。他の作品も読みたい2012/06/10
オーウェン
55
作家の元に届いた1通の手紙。 それには読者が犯人という究極のトリックがあり、それを2億円で買い取ってほしいという頼みが。 その後も手紙は続くが、それと同時に刑事たちが作家の元に来るようになる。 読者が犯人という惹句は確かにそそられる。 問題はそれが驚きとなるのか、白けるのかどっちかだ。 トリックとしての伏線はあるが、別にそれに気づかなくても騙されたという感覚はなかった。 むしろそういう意味で読者が犯人なのかという納得をした感じ。 決して悪い作品ではないが、好き嫌いが完全に分かれるタイプの作品だと思う。2025/06/03
aquamarine
40
「『読者が犯人』というアイディアを一億円で買ってほしい」という手紙がある作家の元に届くところからこの話は始まります。ストーリー自体にそれほど盛り上がりがあるわけではないのですが文章は読みやすく究極のトリックを期待しながらさらさらと読めてしまいました。最後まで読んでみるとなるほど「読者が犯人」です。ちゃんと伏線もあってしっかりトリックとして成立していると思いますし、読み終わってみると余計な部分もなく綺麗なよくできたストーリーだと思います。ただ、副題通りに「犯人は私だ!」と思うのはちょっと厳しいかも。2014/01/16
-
- 電子書籍
- 奴隷からの期待と評価のせいで搾取できな…
-
- DVD
- 金田一少年の事件簿 VOL.3