ブルーバックス<br> 前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題

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ブルーバックス
前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題

  • 著者名:坂井克之【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 講談社(2015/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062575461

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内容説明

どうやって脳から意思が生まれるのか? 知性を司り、人を人たらしめているといわれる前頭葉は本当に脳の中でいちばん大事な領域なのか。脳の中に住んでいて意思決定を行うと考えられている小人=ホムンクルスの正体は前頭葉なのか? 最新の研究成果から前頭葉神話を検証し、私たちの「意思」の脳内メカニズムに迫る。(ブルーバックス・2007年3月刊)

目次

まえがき
第1章 前頭葉は脳の最高経営責任者
 1‐1 情報の集束と発散
 1‐2 情報の選択
 1‐3 重要案件の処理
第2章 前頭葉損傷による症状
 2‐1 前頭前野を切除したら
 2‐2 前頭前野の働きの検査法
 2‐3 前頭前野の障害による多彩な症状
第3章 前頭前野は脳の重役室
 3‐1 前頭前野の解剖学的地図
 3‐2 脳領域間の結合関係から見た階層構造
第4章 企画担当重役──クールな外側前頭前野
 4‐1 神経細胞の持続活動による情報の保持
 4‐2 情報の分離と統合
 4‐3 情報の操作
 4‐4 情報の抽出
 4‐5 情報の変換
 4‐6 外側前頭前野のプロフィール
第5章 営業担当重役──儲かって何ぼの底部前頭前野
 5‐1 サルの報酬
 5‐2 ヒトの報酬
 5‐3 報酬としての感情
 5‐4 無意識の損得勘定
 5‐5 底部前頭前野のプロフィール
第6章 総務担当重役──調整役の内側前頭前野
 6‐1 葛藤
 6‐2 心の理論
 6‐3 社会的感情
 6‐4 ヒト特有の領域
 6‐5 内側前頭前野のプロフィール
第7章 特別仕様の前頭前野
 7‐1 前頭前野の働きを規定する入力
 7‐2 前頭前野の働きを規定する出力
 7‐3 前頭前野における情報の交差
 7‐4 双方向性の情報の流れ
 7‐5 情報の速やかな分離と統合
第8章 前頭葉から意思は生まれるのか
 8‐1 意思決定とホムンクルス問題
 8‐2 なにが意思を決定しているのか
 8‐3 いつ意思が決定されるのか
 8‐4 私の意思と脳の意思は乖離する
 8‐5 どうやって脳から意思が生まれるのか
 8‐6 意思決定の方程式
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫洞 文月

17
情報の統合と指令を司る前頭葉を「社長」に、情報収集を「お局」、報酬系を管理する底部前頭前野を「営業担当」とたとえ、難しい脳の構造と働きをとっつきやすく面白く書いてくれる。2007年の本だから、今はもっと理解が進んでいるんだろうけど、知りたかった前頭葉について理解が深まった。資料として読んだ本なんだけど面白くて自分の興味で追いかけてしまった。人間の脳は食べ物だけでなく、いいことありそうな予感すら報酬として認識する。意識が「これはダメだ」と認識する前に身体には反応が現れている、などなど面白いトピックがいっぱい2020/01/06

kaizen@名古屋de朝活読書会

15
#説明歌 外側が企画底部が営業で内側総務前頭前野2018/01/23

猫洞 文月

12
一番ショッキングだった情報は「意識なんてものは脳の活動の一部にすぎない」という話だった。脳と意識についてはもっと知りたいな。前頭葉は様々な情報を統合して、計画立案実行手順などを考える。仕事のできる人、人格者というのは前頭葉の発達した人かもしれない。記憶を司るのは海馬で、海馬が働くから人は過去現在未来とつながりを持って生きていける。最近流行りのマインドフルネスは「過去にも未来にもとらわれることなく、今ここに生きる」という姿勢らしいが、それは海馬の働きを抑えて脳の負担を減らすということなんだろうか。 2020/01/25

Km

4
ホムンクルス問題に興味があって読み始めたが、興味深い内容だった(肝心のホムンクルスさんはほとんど出てこなかったけど笑)。心理と哲学方面だと思っていたけど、心理と神経科学もありだなー。リベラルアーツ教育だからできる贅沢な悩み。2016/01/14

Kei

3
脳の本。科学の実験方法と真理に迫る思考方法は非常に参考になる。理系に経営を学ばせた方が上手く経営できると言われることがあるのも、原因と結果の分析をしっかりと行い、小↔大の考察をするから、きちんと結果が出るのだと思う。ある事象が起こっていて、解決策はそれと反対のことをする等の文系にありがちな思考がいかに的外れなのか考えさせられる。内容は後半が若干難しいが、読むのは面白い。特に人間の意志の部分。2016/02/06

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