内容説明
要するに、「ありのすさび」という言葉は未来だけを視つめている青年には似合わないので、その青年を他人事のように眺められる中年にこそ、もしくは中年にさしかかって過去を振り返りはじめた小説家の、随筆のタイトルにこそふさわしいと、そういうことである。(本文より) 机に向かい原稿を一枚一枚増やしてゆく日々―。日常の中に物語が浮かび上がる名随筆。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゅんさん
36
佐藤正午はエッセイも面白い。猫好きの方は“猫と小説と小説家”の章がおすすめ。私は猫飼ったことないけど面白かった。割と古いエッセイなので90年代を感じられてそこもよかった。この人の小説が好きならきっと楽しめると思います、そうでない人は…2020/11/30
ponnnakano
5
「ありのすさび」のパートは一つひとつが短いので、毎回お預けされてる気分だけど面白いからいいか。「ピンチヒッター」なんて読んでてニヤニヤしてしまう。苦情を言うひとの気が知れん。あと、「冥土の土産」は本来は「冥土への土産」と言うべきじゃないかっていうめんどくさい感じもとても好きだし笑える。こんなにいろいろな話題を面白く読ませてくれて、ほんと最高です。2019/08/19
けんけん
3
何度よんでも独特な空気感に引き込まれます。日常は何気ないことの繰り返しのように実は…。小説よりもエッセイがいい。2010/11/23
cozy
2
佐藤正午さんだいすきー!エッセイでしたが楽しく読ませていただきました。遊び心ある人だな。新聞連載のピンチヒッター騒動とか。佐藤正午作品すべて読破したい欲がまた高まりました。2016/03/15
三鷹台のすずめ
1
Yとジャンプがあまりにもよかったので、両作品の周辺のエッセイをさがした。佐世保で書いたの?あのリアルな井の頭線の描写はびっくり。毎朝りんごをば食べるのは佐藤さんの習慣なんですね。1997年から98年、この傑作が生まれた年、佐世保の港を見ながら想を練る作者の影を感じることができた。絶対女の子を落とせるパスタ・・・おいしそう 2017/08/08