講談社学術文庫<br> 人類史のなかの定住革命

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講談社学術文庫
人類史のなかの定住革命

  • 著者名:西田正規【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2014/10発売)
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  • ISBN:9784061598089

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内容説明

霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

49
世界史の常識では、文明は農耕により生まれたとされる。狩猟採取生活は貧しくて野蛮な時代。小麦(弥生はコメ)によって歴史が開始された、と。しかし縄文はどうだったか。明らかにされてきたのは集落を作り定住していたこと。著者は、定住に画期があるとする。日本は森に覆われた環境だったから、クリやクルミ(と魚)で充分豊かだった。四大文明と同時期に縄文人はクリを植林するだけで生活できた。違うのは多年植物と一年草(種)ということ。縄文の世界史的意味、人類史の発展は栽培でなく定住化にこそあることを説く。しかし、それだけでない。2015/11/17

月をみるもの

15
https://bookmeter.com/reviews/108064782 で紹介されてて、あまりに面白そうだったので即買い。Society 5.0 は、狩猟採集=1.0 農耕(食料生産革命)= 2.0 工業(産業革命)=3.0 電子化(情報革命)=4 の次に来る社会とされているが、実際は遊動社会から定住社会への移行こそが決定的なメジャーバージョンアップで、あとは 地下資源利用=2.1 情報化 2.2 原子力 2.3 くらいなのではないだろうか。。 2022/08/03

樋口佳之

14
今西錦司は、「生物的自然における生物には、博物館の標本のように、単に形態だけの生物はいない。その形態が生活する、あるいは生活する形態が生物である/「安全保障の言語」が、「仕事をする言語」によって圧迫されている/定住の意味を説いた部分だけでなく、示唆に富む論文集だと読みました。縄文時代の不自然さに悩んだ中学生の頃知っていればなあ。2016/09/14

ta_chanko

9
農業ではなく、漁業が人類の定住を促した。画期的な視点。確かに、大きくて重い漁具・網・船などを持ち運ぶのは困難。豊かな漁場(海)の前や、サケの遡上場所に定住するのは合理的。その周りで栗などの植物の栽培が始まり、やがて一年で収穫可能な穀物の栽培に発展したのではないか。言われてみれば、縄文時代は狩猟採集の定住生活。一部農耕も始まっていたとされる。「中石器時代」などと言われていたが、まさに漁業による定住の時代だったのかも。2014/01/12

Hiroshi

8
日本史では旧石器時代の後に約1万年以上続く縄文時代があり、その後弥生時代となり本格的な農耕が始まる。ところが世界史で西アジアでは旧石器時代から新石器時代になると農耕が始まる。その為「新石器時代革命」と言われる。「採集か農耕か」ということより「遊動か定住か」の方が人類史過程では重要であり、生産様式ではなく生活様式を重視して「定住革命」を提唱する著者が書いた本。専門は自然人類学。86年の著作。人類が誕生したのが700万年前だ。我々の祖先のサルや類人猿の頃から遊動生活をしており、人類になっても殆どが遊動生活だ。2024/02/16

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