内容説明
「いじめ」は、なぜ起こるのか? 「いじめる人」は、なぜいじめるのか? 「いじめられる人」は、なぜいじめられるのか? その真因は単純ではない。国というレベルから考えてゆかないと、解決不能な難しい問題である。しかし、せめて、手の届く範囲で出来ることはないのか? それを考えたのが本書の内容である。「まずは、親が変わることだ」と、著者は言う。親が、「いじめる子の親」「いじめられる子の親」のままでいるかぎり、現実は何も変えられない。いじめる子をいじめない子にする。いじめられる子をいじめられない子にする。そういうアクションが、いじめ対策の始まりであることを説きながら、とにかく個人レベルで出来ることを提案してゆく。本書は、数年前に発刊された同名著書の新装改訂版である。今現在の情勢にあわせ、100ページ近くの大幅な加筆を行なった。子を持つ親として、読んでおきたい著者渾身の作である。
目次
第0章 いじめの時代へのメッセージ
第1章 “いじめを誘う性格”がある
第2章 “いじめられる人生”の芽は早く摘んでおく
第3章 あなたは恐喝的人間関係を築いていないか
第4章 言いなりにならない、騙されない
第5章 脅しと真正面に向き合う生き方
第6章 親が子どもをいじめぬく!?
第7章 いじめから抜け出すための五つの具体的方法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんと
11
いじめられる側の人には育った環境、人間関係などにより、いじめられやすいいくつかの理由があることがわかる。 意思を強く持てないのは、不信による対立の中で育った人は、成長しても対立が怖いからだそうだ。 自分に不利なことを言われても言い返せないのは辛い。 加害恐怖という言葉を、ここで初めて知った。 相手のためにやったことでも、その後、不満や憎しみを抱いたら、それは優しさとは違い、加害恐怖なのだそうだ。 親は子どもが自分を肯定して生きていけるように育てなければいけないと思う。2014/10/21
壱萬参仟縁
8
TBSラジオテレホン人生相談でお馴染み。いじめやすい人(13頁)がいるのなら、いじめやすい集団をつくって対抗するのも手段かもしれない。疎外された人がスクラムを組んでいじめる側に異議申し立て。一人で対抗しない方がいい。大人が強くならなければ、いじめはなくならない(30頁)とは、少子社会においてその意味は強くなっているだろう。敵意と支配欲がいじめる側の特徴(119頁)。人間関係の難しさに、辟易としてしまうが、書かれていることは的を射ているので、自分の場合どうなのか、反省しないといけない。2013/03/19
かな
2
読む時を選ぶ必要はあるけど、真実だと思った。とりあえず、私も少し楽になれた気がしたから。自分の気持ちに無理をしてはいけないんと感じた。「嫌いな人は嫌い」でいい。思い切り憎むことから力は出てくるのかもしれない。2013/10/04
Ryusei Furuya
2
内容は賛否あるけど、こういう本も読んでおくべきだと思った。2012/09/01
たこ焼き
1
ラベルづけをされる(冷たい人、ばかな人など)ことに恐怖して、そういわれないように行動してしまう(感情的恐喝)そのことによっていじめははじまる。ラベル付けに対する恐怖によって従属状態になってしまうのだ。2016/09/04