内容説明
男に会うためだけに海を越える私のいじらしい性欲。南国ホーチミンのレストランで口説いたボーイと、酷寒の宵に出会ったソウルのホテルマン。高校時代の翌(あす)なき春から、痛ましい夏を経て終焉の春へ、20年にわたる恋愛遍歴。魂の放浪記はここから始まった。静かで熱く、どこまでも赤裸々に描いた自伝的恋愛小説。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラルル
8
岩井さんの子供の頃から現在に至るまでが読めるのかと思っていたのですが、中身は殆ど「アジア系の愛人とヤった」話ばかり。読み始めた頃はそれでも面白いと思えましたが、あまりに長々と同じことが書いてある為、まるでブログやSNSで『今日も彼とラブラブでした!彼好きすぎっ(*´艸`)』等のつぶやきを幾度も読まされているような気分になりました。グッタリしました(苦笑) 性描写も多く出てきますがエロスは微塵も感じません。飽きずに読めたのは1/5ぐらいまで。完読はちょっと無理でした。残念。2012/12/01
貴
5
自分に正直な生き方に共感します、ても大切なものの犠牲も必要なのですね。2022/07/05
あやえり
2
題名からエッセイかと思い借りたが実話なのか虚話なのか。浮遊感漂うまどろみの中にいるような読後感。2014/11/05
あまがえる
2
むせ返るほどの甘ったるい花の香り。イランイランの香りのような。そんな小説。欲望の赴くまま奔放に生きることができて、それが許された女の話。小説家になれてよかったね。他の職業だったら無理でしょう、このような生き方は。2011/12/06
sanchato
1
「夜の日本兵」として男を見敵必殺、諸外国へも突撃している岩井志麻子が綴った小説「ユートピアと地獄」。「プリーズ・アウト」「女を抑圧している女は、他の女も抑圧したがる」「つまらない東京の生活など、滅びるがいい」等々、志麻子節。しかし、ひと月あけて一章ずつ読むならば“お前によし、おれによし”かもしれないが、越南的性愛模様はちと冗長では。フィニッシュが衝撃的なのかもしれないが、一番ツーンときたのは留守番電話だった。そこに業の凝縮を感じ、やるせなかったのは、どちらに多く感情移入したからだろう。 2015/01/18
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