内容説明
戦没商船2,568隻!!―843万総トン、六万数千人の船員が海の藻屑と消えた。武器、弾薬、食糧が届かず、数十万の将兵が南の島々で飢え死にした。硫黄島に水が届いていれば……。
目次
第1章 英国に学び超えた日本商船―明治維新
第2章 世界の海への旅立ち―日露戦争
第3章 独Uボートによる通商破壊―第一次世界大戦
第4章 日本の威信と誇りを掲げて―昭和初期
第5章 海を渡るノーベル賞の学者たち―第二次大戦前夜
第6章 「十二月八日」に向けられた任務―開戦の時
第7章 戦争捕虜「悲しみの共有」―太平洋の戦場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
14
戦没商船の話を纏めた本を始めて読みましたので、非常に興味深く読めました。それぞれの話も良かったですが、一番印象に残りましたのは戦争捕虜の話でした。2021/07/02
seychi
0
戦争で軍艦が沈められる、これはごく普通のことではあるが、その影で軍の輸送任務を民間業者が担っていたという事はあまり知られていないと思う。兵隊や軍用品、石油や民間人を含めこれほとんどが民間の商船会社が行っていたという事実。平時では豪華貨客船として太平洋を横断していた船が戦時に徴用され、軍人でもない船員がそのまま駆り出されて多く犠牲になったという事実は都市爆撃に寄って亡くなった一般人と同様、戦争の犠牲者である事は間違い無い。戦いの影に隠れてあまり脚光を浴びない商船の犠牲者に黙祷。2014/08/01