文春文庫<br> 送り火

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文春文庫
送り火

  • 著者名:重松清
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • 文藝春秋(2015/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167669041

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内容説明

家族の幸せを思うとき、自分自身は勘定に入れない。「あの頃の父親って、ウチのお父さんだけじゃなくて、みんなそうだったんじゃないの?」女手ひとつで娘を育てあげ、いまはさびれた団地で独居する母が娘にそう呟く(表題作)。パンクロック評論で注目された青年の四半世紀後を描く「シド・ヴィシャスから遠く離れて」。大切なひとを思い、日々を懸命に生きる人びとのありふれた風景。とある私鉄沿線を舞台に「親子」「夫婦」のせつない日常を描いた胸に沁みる9つの短篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Smileえっちゃん

78
重松さんの、富士見線という私鉄沿線を舞台にした、9編からなる短編集。中でも「送り火」「もういくつ寝ると」が良かったかな…「家族が喜ぶ姿を見て自分が喜べる。皆が楽しそうにしていると嬉しくなる」親ってそういうものなんですね。お墓のお話も考えさせられました。重松さんは好きな作家さんで、短編集は短くても重みを感じます。2019/02/24

Take@磨穿鉄靴

74
重松氏の短編集。最後の「もういくつ寝ると」が非常に興味深かった。お墓のお話。自分も今、長男として別れた両親それぞれがどこに眠りたいのか確認作業中。母親の方意志は確認が取れている。父の方はまだ。で自分はどうだろうか、どうしたいか、ずっと自問自答していたけど答えのきっかけを貰えた気がする。目を背けるのではなく前向きに死後の事を考えたい。その上で残りの命を悔いなく燃やしたいと思う。しっかり生きよう。★★★★☆2018/09/20

優希

74
架空の富士見線という私鉄沿線を舞台にした物語。親子や家族の世界がほろ苦く描かれています。それぞれの短編に愛があり、切ない日常を切り取っているのがいいですね。昔話のような話だったり、どうにもならないような物語だったり、死との向き合い方だったりとほのぼのしたりしんどかったりしましたが、どのような話を書いてもひとすじの希望があるのが良かったです。しんみりと胸に染み入って来るような感じが好きです。2014/12/04

ちゃとら

66
架空の富士見線沿線の短編集。どれも、ちょっと幽霊チックな、うら寂しくて優しい不思議なお話。 「家路」は家出中で一人を満喫するパパにだけ見える駅の地縛霊。「お帰りなさい」を聞きたいから毎日ラッシュの中、家に帰るんだ。帰りたい!と言う地縛霊。ラストのお墓の話も、長くは生きられない娘の為に富士山の見える墓を買う若い夫婦が登場し、グッとくる。良い本でした。2019/05/24

かんらんしゃ🎡

58
★重松氏の語りは暖かい。でも癒されない。むしろ突き刺さるほどに痛い。それは彼らへの同情からくるだけじゃない。いつか我が身に降りかかる時の覚悟かもしれないし、その不安におののいてるのかもしれない。苦しいほどだ。★それでも乗り越えなければならない。富士見は不死身でもあるけど、push me(背中を押してくれ、再び歩き出すために…)でもある。2016/08/31

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