内容説明
1882年に来日し、17年間の滞在生活をおくったフランス人画家ビゴーは、その卓越した描写力で、写真や活字では記録し得なかった日本人の本質を鋭く描きとった。明治政府を皮肉る痛烈な諷刺画のほか、西洋文化にとびついた人々の滑稽な姿、日本的風習にあふれた庶民の生活、日本軍に従軍して描いた戦争報道画など、100点の作品を通して、近代化する日本の活況を明らかにする。(講談社学術文庫)
目次
はしがき
第一章 上流階級の日本──世相画
第二章 女たちの日本──風俗画(一)
第三章 男たちの日本──風俗画(二)
第四章 庶民の日本──風俗画(三)
第五章 皮肉られた日本──諷刺画
第六章 写実の日本──報道画
第七章 無念の日本──不安画
『トバエ』とその協力者たち
ジョルジュ・ビゴー略年譜
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おMP夫人
12
外国人の手による日本の記録は貴重だと思います。何が誤解されている(いた)のか解りますし、日本人にとって当たり前すぎて気に留めていないけれど大切なものに気付かされるからです。特に海外にとって「フシギの国ニッポン」だった時代のものほどそう思えます。この本ではひとりのフランス人の目に映った明治の日本がさまざまな形で紹介されています。日本人が残した記録からは見えてこない物もあるので、大変重要な史料だと言えます。ビゴーの視線は庶民にも多く注がれいて、特に女性を温かい目で見ているあたりはパリ生まれらしい気がします。2013/01/27
ミナ
8
今回も色んな日本人の様子がわかって面白かった。特に下駄泥棒とかんざし泥棒。よくそんな一瞬間を書き留められるほど記憶に焼き付けられるなぁと感心する。そして、泥棒が自分では売りさばけないものは手紙とともに返却してくるなんて面白すぎる。2018/01/14
そうたそ
8
★★★☆☆ ここ最近になってビゴー関連本を読み漁るようになるまでは、自分の中でのビゴーのイメージと言えば諷刺画家というほどのものであった。しかし、風刺画家というのはビゴーのほんの一面に過ぎない。求められるものに応じて絵のタッチを使い分け、更に簡潔な絵の中にそのものの本質を描く、そのような器用な画家こそがビゴーであったと今では思っている。本書では著者が既出のビゴー関連本にまだ収録されていないものを中心に選りすぐったイラストの数々が収められている。歴史的な記述の不正確さは著者が歴史家じゃないため仕方ないこと。2013/08/14
osakanazuki44
6
フランス人風刺画家。当時の日本人には当たり前過ぎる習慣を描画。鹿鳴館、紅葉館にいるような政財界人、上流階級の日本人もスケッチ。男女混浴、壮士、女中、子守りする子供。日清戦争の従軍画家。34歳の時、17歳の日本女性と結婚。男児をもうける。後に、離婚。治外法権で日本の司法権が及ばない立場にいたので日本人・日本の政治を風刺・批判出来た。2021/03/18
たか
5
ビゴー関連書これで5冊目くらいかな.2018/01/18
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