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内容説明
相撲は古代の神事から格闘技、そして「国技」へと鮮やかな変貌を遂げながら、1350余年を生き抜いてきた。日本人の豊かな精神性が凝縮されたこの伝統を、「男女共同参画」や「グローバリズム」などという、現代の価値観で踏みにじっていいのだろうか? 誰よりも相撲を愛し、相撲研究のために大学院にまで飛び込んだ人気脚本家が、「聖域としての土俵」誕生の歴史に迫り、「土俵の女人禁制」論争に終止符を打つ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としP
18
本書のタイトルに対する筆者の回答は次の通り。「土俵は結界である→結界には障害物は入れない→女は障害物である→なぜなら女は不浄だから→なぜ不浄かというと、開口部から血を流すから→だから結界内には入れない→だから土俵には入れない」。もちろん、この前提は神話などによるものだが、あくまで建前のようなもの。実際は「女はものの数に入れない社会的風潮」だったり「男たちだけでやってきた事実と矜恃」だったりが本当の理由のように思える。2018/09/16
佐島楓
18
私も大相撲ファンなので、内館さんのおっしゃりたいことはよくわかった。「グローバリズム」で伝統を破壊してはいけないでしょう、やっぱり。2013/10/03
ジュースの素
8
これを読む以前にも男たちの弱さ・情けなさ・ズルさ・幼さを感じる。修行の場に女性がちらつけば精進出来ない、たったそれだけの話。それを血は不浄だとか障害物だとか言いたい事ばかり勝手に「上書き」した結果がこうだ。男たちだってそう言う女性から産まれてるよね! 子を産める女性の方がうんと神に近いよ! 最近 凶悪な事件を起こすのは9割方が男。弱さ・脆さ・幼さの結果かな。2019/05/31
ようはん
7
男女共同参画が進む中、女性が土俵に上がる事についての是非に関し女人禁制を守るスタンスを持つ内館先生が神代からの相撲の歴史を紹介して何故女人禁制を守るべきかを主張している。内館先生の相撲に関する造詣の深さに驚かされ、また両国国技館の土俵が場所前にいかに作られていくかの過程が興味深い内容だった。2019/08/21
うたまる
5
書名の疑問に答えるべく大学院で研究した大相撲についての考察。結界や不浄、聖性などから丁寧に論述してあり、著者の提言にも賛成だ。併せて、相撲協会の権力への阿りぶりには苦笑頻り。また「そこまでして女性が土俵にあがる必要がどこにあるのか」こそ至言に感じた。本気で相撲を取りたい訳でなく、職業として行司や呼出しを目指している訳でもなく、伝統を守ってきた人たちに面当てしたいという悪意しか感じない。著者も言うように、伝統や宗教性についての知性や品性が欠けているようにも思える。朝日新聞に辻元清美など、いつもの顔ぶれ。2015/12/15