内容説明
地下にある父親の実験室をめざす盲目の少女。ライフルを手に錯乱した肥満の女流作家。銀座のクラブに集った硫黄島での戦闘経験者。シリアスからドタバタまで、おぞましくて痛そうで不気味な恐怖体験が炸裂。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
79
筒井サンらしい短編集でした。ホラーというよりブラックユーモアに近いものを感じました。怖いけれどクスリと笑えてしまう恐るべき作品の数々。ホラーの概念を覆したと言えるでしょう。2015/10/27
北風
42
ツツイさんの短編集。ホラーと言うよりブラックユーモアに近く、これだとまだ「乗越駅の刑罰」や「懲戒の部屋」の方が、よっぽど怖いです。マイベストは「アフリカの血」。ツツイさん自ら漫画作品も描いてます。何度読んでも悲しい話です。2015/08/29
こばまり
29
いやはや楽しかったです。時々この世界に入り込みたくなります。読みながら子供の頃に初めて読んだ筒井作品「驚愕の曠野」のことを思い出していたら、貴志祐介氏が解説で同作に触れておられたのでうれしくなりました。2014/05/21
瓜坊
19
マッサージでくすぐられているような刺激で思わず笑っていると、いきなり押さえつけられてぐりぐりされ痛くなる、そんな本。ホラーというより面白さ。「冷たい方程式」のパロディの「たぬきの方程式」、宇宙船に潜り込んだ美女と荷物のたぬき、可愛い話やと思っていると最後にどんとくる痛さ。周囲の時間が遅い「お助け」も想像できない痛みを想像させる。精神病院の「穴」は「ショック集団」って映画を思い出した。鍵を拾っては過去を回想する最後の「鍵」、青春の残滓が湧き出すと目を背けようと思っても、もう気が狂うしかない、これは怖い。2020/08/02
ヒロくま
19
筒井先生のホラー短編集、怖いけどシニカルな毒のある笑いがチラホラ。いくつか(あれ、この話読んだことあるな~)と思ってみたけど、いつ頃、何で読んだのかさっぱり思い出せない。とほほ。2014/05/28