内容説明
上京中の資産家が絞殺され、現金1000万円が奪われた。高級外車に残された道路地図には、3つの港町の頁に謎の数字が……。夭折した天才作曲家が書いた幻の楽譜に張り巡らされる二重三重の罠。引退した贋作のプロはなぜ刺殺されなければならなかったか。一筋縄ではいかない犯人に、十津川は宣戦布告をする! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビスコ
1
中学の時に、同じ部活の奴から「滝廉太郎に顔が似ている」と言われたことから、滝廉太郎に興味があった西村京太郎先生ファンとしては、読ますにいられる筈がない、というような一冊。オリジナル完全版は未だ存在が確認されていない「荒城の月」、そのオリジナル完全版の贋作を巡る殺人事件。贋作の世界をうまく描いている。トラベルミステリではない。 ちなみに、今朝鏡を見たら、成長してるからか、滝廉太郎とは似ていない顔になってた(もう少し鋭い感じ?)。うーん、嬉しいような嬉しくないような……2014/11/27
pyonko
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歴史&古美術もの。歴史系の十津川警部は個人的にイマイチなのが多かったが、これは割と上手く書かれている方だと思う。ピカソの会っていうネーミングはちょっとアレだが。2014/07/08
タケヒロ
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贋作詐欺もので、贋作の世界に殺人とからませている。西村さんの小説を初めて読んだが約3時間で読了。大量に書いている売れっ子作家だからこういう筋でもOKなのだろう。自分は推理小説は向いていない事が改めて分かった。 やはり最低限の小説としての構成はしっかりしているし、贋作の裏の世界も垣間見れたのがgood。ただ、殺人動機や筋や背景がもひとつのような。大量に出版する超売れっ子だから、少々の事でも受入れられるのかな。。。 2013/04/21
TEDDY曹長
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ストーリーの絡み具合のあまりの複雑さ。でもスルスル読めてしまう不思議さ。これは傑作ともいえるんじゃないかな。荒城の月(滝廉太郎)をストーリーの中心に据えて織りなす模様を描き出す筆力は凄い。犯人も最後は「え?そこなのか?」と言う展開が面白かったですね2012/05/15
十波@灯れ松明の火
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面白かった。 滝廉太郎「荒城の月」の幻の楽譜を巡り、絵画や骨董の贋作までが現れて、贋作のプロ、ブローカーなど怪しい登場人物の関係性。複雑なのにすらすらと先に読み進められた。 犯人は意外でした。2010/02/24