内容説明
パリで20年間雑誌の仕事をして、昨年フランスで生まれた、銀次という名の灰色の猫をつれて東京に戻ってきた。離れてみると、パリに対して並外れた思いを抱いていたことに気づいた……ともあれパリは淑女に似ている、というひとがいるが、淑やかな女なら、必ずいくつかの秘密をもっているものだ。たしかに私のみたパリには、この淑女の条件がそろっていたような気がしてならない。――<あとがきより>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
怜
26
何故このタイトルなのかしら。パリと猫は確かに絵になるけど。きっとこのひとはパリの風景や、街の佇まいを自分で書きたかったんだろうな。フランスの短編小説のようだけど、もう少し歯切れよく余韻が欲しかった。原田マハのジヴェルニーの食卓やサガンの小説が読みたくなった。2015/05/03
ユカ
22
なんだかよくわからなかった、というのが正直な感想です。フランス映画をみたかのような。たくさんのお話の、プロローグだけをずらりと読んだかのような。フランス人の自由さって、こんな感じなのかな〜とか。スピンがトリコロールでかわいいです。2014/02/18
あつひめ
22
日本では味わえないようなおしゃれな生き方がいっぱい。街や通りの名で一つずつの物語が出来上がっている。その名前のまたおしゃれなこと・・・。パリの男性から見たら日本の女の子は小さくてかわいくて守りたくなるような・・・そう・・・子猫のような存在かもしれない。シャラントン通りが印象的。本物のパリを見てみたくなった・・・。2011/03/15
お静
17
パリの通りをタイトルにそこに住む若者たちをテーマに書いた短編。 パリだという意識を持って読んでいるからなんだかカッコいい気がするがこれが日本だったら普通のどうてっことない日常だ。作家の長いパリ生活のトリックなんだと思う2017/11/23
湖都
15
パリを舞台にした短編集。時々日本人の女性が出てきたり語り手になったりして、著者の経験談のような話も。「だからどうした」と思う物語がほとんどで、正直面白いとは思えなかった。タイトルにある猫だって大して出てこないし。なんとなくパリの空気感だけが伝わってくる本。2021/05/01