内容説明
〈永遠の戦士 エルリック5〉 流浪の皇子エルリックとフォン・ベック伯爵ウルリック、そして〈夢盗人〉の娘ウーナが活躍する、新3部作ついに開幕!
第二次大戦前夜、白き肌とルビー色の瞳をもつフォン・ベック伯爵ウルリックの居城に、SS将校となった従兄のゲイナー公爵が訪ねてきた。ベック家に古えより伝わる〈黒の剣〉レーヴンブランドをヒトラーに渡せというのだ。拒絶したウルリックはただちに収容所に連行され、拷問を受ける。やがて反ナチ組織に属するウーナという娘の助けで脱走したウルリックは、敵の追撃をかわし、地下世界ムー・ウーリアへと逃れるが…… /掲出の書影は底本のものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
14
前巻まででいったん終了したエルリックの物語ですが、新しい革袋に詰め直して再登場です。そのおもむきも、時代を反映して雰囲気は変わっていますね。主となる舞台は、第二次大戦のドイツ。主人公は、長い歴史を誇るザクソン貴族の末裔、フォン・ベック伯ウルリック。生まれはほぼ1900年ころでしょうか。虚弱な白子の遺伝子を持ち、この血統の最後の人と自称する彼には、もちろん子供はいない。家族もない。神学に打ち込み、剣術を学び、古代の遺跡や考古学を学ぶいささか衒学的な男。ネタは面白いけど、オカルト趣味はやはり合わないか。2007/09/26
スターライト
7
エルリック・シリーズは前巻で一応終了と書いたが、まあ嘘ともホントとも言えず…。本巻では時代は第二次世界大戦にとり、ドイツ人ウルリックを軸として物語は展開する。そのウルリックは、エルリックの数多い分身の一つでもある。そこへゲイナーがこの世界はもちろん、全ての多元宇宙の支配を目論んで、クロスターハイムなる謎の人物とともに戦いを繰り広げていく。それにしても、ストーリー長い…。ムーングラムがちょい役での登場だったのは、残念。2012/06/26
しまっち。
6
少々頭がこんがらがってしまった。前作「ストームブリンガー」での劇的な「完」から抜け出せないまま読んでしまったが、もう少し間をあけた方がよかったか。いやでも気になって仕方なかったし。エルリックの続きとしては違和感が多いのだが、あくまでもウルリック目線が主であるし、多次元宇宙の存在が当然として在り、時系列なんてあってなきもの、いろいろとよくわからないままに、ひっぱりまわされます。なんとかついていく感じだけど、やめられない。2017/11/22
isfahan
6
バトル・オブ・ブリテンに英国が勝利したのはエルリックがドラゴンで力を貸したんだよ!という展開に衝撃。面白すぎです。米国のコニー・ウィリスはロンドン大空襲で一大ヒューマンドラマを演じたのに本国英国のムアコックは同じW.W.Ⅱが舞台でもナチスを敵にオカルト合戦。荒唐無稽ですが本当面白かった。解説の小谷真理氏が指摘されてるようにここでも「祖国を裏切る戦士」というモチーフが繰り返されていることも大いなる神話の一端という雰囲気。ウルリック目線のエルリックがとにかくかっこよかった。2013/08/11
saladin
5
本著は一応の完結を見た『ストームブリンガー』から24年後に刊行されているらしい。当然文体も変化しており、ナチス政権下のドイツに生きる、エルリックの分身たるフォン・ベック伯ウルリックの目線で書かれている。が、あくまでもエルリックが主でウルリックが従の関係で、主役はやはりエルリック。現実世界と地続きにする手段として、並行世界とナチスドイツのオカルティズム、そして”黒の剣”(と聖杯)を結びつける剛腕に驚く。にしても、自分の分身と”合体”したりできるんだ…。2020/07/17
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