内容説明
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クラウディーネとナニー、そしてモリーは、第二次大戦中日本軍の占領下にあった「蘭印」(現インドネシア)で、日本人の父と蘭印系オランダ人(インドネシア人とオランダ人の混血)の母から生まれた。父とは戦後すぐ生き別れとなり、そののち母に連れられて見知らぬ祖国・オランダに渡る。彼女たちは、本当の父の愛情はおろか存在すらも知らないまま育った。
本書は、人間としての存在価値を求めて苦悩する彼女たちの、心の旅の記録である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
及川まゆみ
4
再読。蘭印(オランダ領インドネシア)での、日本人男性と蘭印系オランダ人(インドネシア人とオランダ人の混血)の母のもとに生まれた子供たちの人生が書かれている。日本人の父を探す3人の女性が紹介される。それにしても「敵の子」と見られ、哀れな幼少期を送っている。皆それぞれ大変な育ちをしているが、ナニーは本当に可哀想だ。蘭印での子供たちの話はこの本で初めて知ったが、こういう話は今後風化されていくのかと思うと心が痛む。戦争があるとこういう話は多いと思う。風化させない為にも多くの人に知ってほしい本である。2023/08/19
桐一葉
1
図書館。この歴史的事実を初めて知った。けど、やっぱりどんな状況でも人がいれば、愛し合う人たちがいて命が宿る。それは揺るぎないことなんやなと感じた。ナニーの境遇に心が痛んだ。幸せなことももちろんたくさんあるやろうけど、幼い頃理不尽なことに振り回されて辛かったやろうなぁと。人のあたたかい気持ちを踏みにじり、悪用したものが戦争やと改めて思った。犠牲になるのはいつも一市民。2015/10/21