中公新書<br> シーア派 台頭するイスラーム少数派

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中公新書
シーア派 台頭するイスラーム少数派

  • 著者名:桜井啓子【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
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  • ISBN:9784121018663

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内容説明

イスラーム教の二大宗派の一つだが、信者は全体の一割に過ぎないシーア派。しかし、イラン、イラク、レバノンなどでは多数を占め、挑発的な指導層や武装組織が力を誇示し、テロリズムの温床とさえ見られている。政教一致や民兵勢力といった特異な面が注目されるが、その実態とはいかなるものなのか。彼らの起源から、多数派のスンナ派と異なり、政治志向の強い宗教指導者が君臨するシステムを解明し、その実像を伝える。

目次

序章 台頭するシーア派
第1章 シーア派の成立
第2章 政治権力とシーア派
第3章 近代国家の成立とシーア派―20世紀~
第4章 イラン・イスラーム革命と「革命の輸出」
第5章 ポスト・ホメイニーと多極化
終章 シーア派の行方

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

64
20年近く前の本だが、シーア派の成立とその展開の歴史をコンパクトにまとめていて、基礎的知識を得るには十分価値がある。また近代以降各国のシーア派の動向についてもまとめてあり、特にレバノンのヒブズ・アッラ-(ヒズボラ)などにも踏み込んだ解説がある。ホメイニーのイラン革命が、宗教的指導者が国家運営に当たるというイスラームの理想のような形でありながら、同時に宗教指導者が政治権力を握ることが、かえって宗教的に問題をはらんでいく様子がうかがえた。イランのシーア派の高位宗教者が、革命後のイランの体制に批判的という。2023/02/27

coolflat

10
ブワイフ朝やファーティマ朝、サファヴィー朝、革命後のイランやヒズボラは当然ながら、イラクやサウジにおける非主流シーア派まで解説している。19頁。シーア派もまたスンナ派と同様に、預言者ムハンマドの死をもって啓示は封印されたとみなすが、シーア派は預言者の後継者としてイスラーム共同体を宗教的、政治的に指導する者は、コーランの奥義までをも理解する特殊な資質を持った人物でなければならず、更にその資質は預言者の血筋を引くアリーとその子孫に引き継がれたとする。こうした資質を受け継ぐ人物をシーア派では「イマーム」と呼ぶ。2016/03/07

さんまさ

10
日本人には分かりにくいスンナ派シーア派の関係が整理できる好著。最終章は特に、親米と反米、独裁とテロ(ゲリラ)など政治的視点でしか捕らえられていない現代の中東諸国の真の対立構造がよく分かる。イラン史を頭に入れてから読んだ方が分かりやすいかな。2015/02/21

雲をみるひと

9
シーア派について、成り立ちから現状(といっても10年前だが)まで網羅した本。初読でスッと入る構成とは言い難いが、複読すれば、何故イランでシーア派が多数派になったか、ホメイニがいかに偉大だったか、イランのシーア派が何故他の勢力と融合できないか等シーア派に関するトピックがよくわかる。非常に勉強になった。2019/03/08

jj

5
イスラム世界における宗派の争いは根深いものがありますね。ただし、異教徒の侵略に対しては協力関係になることがあるようですね。現在の中東情勢、IS掃討作戦の実行部隊として米国の後ろ盾を得たシーア派のイラン。イランの核容認・原油輸出許可に対し脅威とするスン二派のサウジアラビア。そこに追い打ちをかけるように原油価格下落による、サウジアラビアなど産油国の破綻問題。それとイスラエルの存在。国会答弁における集団的自衛権の事例「ホルムズ海峡の脅威」が現実化することを感ぜずにはいられませんね。2016/02/14

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