内容説明
春が近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕、坂木司のお得意先であり年上の友人でもある木村栄三郎さんと、高田安次朗さんだ。高田さんがボランティアとして働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻繁に発生しているという。野良猫の姿を見て心を痛めている、同じボランティアの女性のために、二人は鳥井のもとを訪れたのだった。さっそく動物園に向かった僕たちが掴んだ真実、そして鳥井のひきこもりの原因となった少年時代の出来事とのつながりとは――。果たして鳥井は外の世界に飛び立つことができるのか。シリーズ完結編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
375
シリーズラストは長篇。野良猫の虐待事件から始まるので、日常の謎からは一歩踏み出した感じがある。物理的な謎解きより、心の動きをえぐり出す推理に、ぐいぐいと引き込まれた。途中から読むスピードがどんどん上がって、後半を読み終わるまでの約40分は至福の時間でした。登場人物の心の動揺は大きく、坂木と鳥井の依存関係にも一歩の変化が。ラストの、映画のような凝った編集にはまいりました。2018/03/04
ダイ@2019.11.2~一時休止
304
ひきこもり探偵その3。長編で完結編。引きこもりの原因の人物が現れる。メインの謎は予想通りだけど判らなかった細かい謎もいっぱいあり、最後の終わりも切ないけどイイ。ところで付録のレシピを試した人はどれくらいいるのだろうか?2015/03/07
SJW
263
引きこもり探偵シリーズ三部作の完結編。今回の事件は動物園で頻繁に発生する野良猫の虐待事件。読むのが辛いが許せない犯人を知りたくて一気に読んだ。でも自分が通った高校がこの隣にあったので、その風景や動物たちを思い描けたのでとても親近感が湧いた。今回のテーマは動物への虐待と人への虐め。単に仕返しをするのではなく、なぜ悪いことなのかを犯人に諭して納得させる理想的な方法。虐めをされる側や、助けると自分もターゲットになる恐怖から助けられずに自己嫌悪に陥る様子は痛ましい。虐めを見て見ぬ振りをする先生や教育委員会(続く)2018/07/05
エンブレムT
202
檻は閉じ込めるための物なのだろうか、守るための物なのだろうか。杖は支えるための物なのだろうか、すがるための物なのだろうか。シリーズの完結編でもある今作は、お人よしで涙もろい坂木が自分の檻に閉じ込めているモノに正面から向き合います。ひきこもり探偵である鳥井じゃなく、ネックは坂木の成長だったのか・・・といろいろと腑におちたのでした。動物園の檻の外で見つかる傷ついた猫たちの謎。変わりゆくものにも変わらないものにも等しく向けた優しい視点での描き方は、物足りなくもあるけれどホッと息をつける居心地の良さがありました。2014/10/06
おしゃべりメガネ
190
鳥井&坂木探偵シリーズ完結編です。作品を重ねるごとにネタが重厚になっている気がします。鳥井が少しずつではあるものの、あたりがやわらかくなってきているのは、嬉しい成長です。逆に坂木の天然ぶりが、時折イラッとしなくもないのは気のせいかなと。やっぱりシリーズ通して、個人的には滝本&小宮のお巡りさんコンビがナイスです。特に本作は滝本の出番が多かったので、メリハリのある展開になってました。人間、誰もが少なからずココロに残っている‘キズ’にどう対処していくか。二人を囲むキャスト達ともお別れなのが、とても残念でした。2014/11/27
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