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内容説明
20世紀は、「わかって」「楽しくて」「おもしろい」音楽を多数生み出してきた。ヴァークナーからジョン・アダムズまで。流れを俯瞰し、その展開と特質を描き出す。
目次
第1章 飽和(綜合芸術の夢とロマン主義の暴走、そして絶対音楽の完成 鳴動する宇宙 印象主義?象徴主義? ほか)
第2章 拡散(イギリス、イタリア―伝統と革新 壁のこちら側から向こう側へ アメリカ―新大陸の音楽 ほか)
第3章 変容(忘れられたシンフォニスト 鳥の声と管理された偶然性 前衛の栄光と挫折 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
15
少し前に読んだが、知らない曲ばかりでよくわからない。(2009年)その後この新書を手掛かりにたくさんの曲を聴きました。20世紀に作られたクラシック音楽を聴くのには、他に安価で手に入る類書がないだけに貴重なものだと思います。(2015年)2009/07/05
ヤギ郎
13
20世紀クラシック音楽を網羅的に紹介した一冊。作曲家という人の視点から個別の作品について解説している。人物&作品図鑑のようなつくりになっているため、本書の各セクションの概観説明をしっかり読み、作曲家の説明は流し読み。音楽についての本のため、楽曲を聞かないとわからないところもあるが、丁寧に解説していて非常に勉強になる。マイナーな作曲家や日本人作曲家の紹介もしている。本書を参考にいろいろな現代クラシックを聞きたい。2021/02/26
とす
4
難しい。セリアリズムという言葉、よく出てきたけれど知らなかったので覚えておきたい。現代音楽を聴こう!とはならなかったけれど、コンサートの最初に演奏される曲にもう少し注意を払おうと思った。少しは予習していくようにしようかな。アイヴズ、メシアン、マーラー、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキーなど知っている人物も多くそれなりに楽しめた。2015/05/09
Kano Ts
2
20世紀クラシックの入門&ディスクガイドって感じですかね。20世紀音楽という膨大かつ広範囲な音源を俯瞰して紹介しているため、どうしても本格的な研究や考察を求めると肩透かしを食らうと思いますが、僕にはちょうど良かったです。気になった曲を聴きながら読み進めました。でもオペラだけは未だに進んで聞こうってなる曲がほとんどないんですよね…。特に前半の方にはよく出てくるし、いつかは聞いてみるべきなんだろうか…。唯一残念なのは自分が20世紀音楽で特に好きな武満徹とカプースチンがほぼ出てこなかったことくらいか。2022/11/25
サニジョプッ
2
ワーグナーからラッヘンマン、ポストミニマルまで。実はアメリカの作曲家ハリー・パーチについて知りたくて買ったのだが、その記述はほとんどなくてその点は期待を裏切られた。だが、それ以上に20世紀音楽の魅力を存分に伝えようとする真摯な記述、筆者の主観も表明しつつ世界的な潮流について踏み外さないバランス感覚に、いい意味で裏切られた。専門的教育を受けていない、20世紀音楽の一般的入門者にとってバイブル的存在ではなかろうか。本書のみで全てを説明しようとせず、音盤・映像や信頼できる評論の紹介に大きく頁を割く姿勢にも好感。2011/11/22