〈メディア〉の哲学 - ルーマン社会システム論の射程と限界

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〈メディア〉の哲学 - ルーマン社会システム論の射程と限界

  • 著者名:大黒岳彦
  • 価格 ¥4,224(本体¥3,840)
  • NTT出版(2006/09発売)
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  • ポイント 1,140pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784757101999
  • NDC分類:361.45

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内容説明

常識的な「メディア」観の問題性を抉り出し、しりぞけた上で、それに変わる新しい「メディア」理解の構図を対置、と同時に難解を以て知られる理論社会学者ニクラス・ルーマンの一つの解読の試みも行う。

目次

緒論 メディア論の何が問題なのか?
第1部 ルーマン以前(代表的メディア理論の概観)
第2部 ルーマン・メディア論の構図(ルーマン社会システム論のメディア論への接続)
第3部 ルーマンのマスメディア論(システム論とメディア論の併存と拮抗)
第4部 メディアの一般理論のために(ルーマン理論を内側から破る)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hitotoseno

9
ルーマン研究書としてはこれ以上ないと思われるほど精密で、かつ重要なところを繰り返し銘記してくれるため迷子になることがまったくない。そしてまだまだ社会学の古典に過ぎないルーマンをメディア学の方へと開放し使い倒すという点で、おそらく本邦で唯一の試みではないかと思われる。とはいえ末尾で展開されるルーマン批判は正直当たっているか疑問符がつくし、ルーマンが見出し得なかったインターネット時代のメディア論としても(著者があくまでこれは「序論」であると断っているにしても)不満が残る。2017/10/27

Ecriture

7
労作。メディア論を学問の域にまで高めた初にして唯一の書と豪語するだけはある。主にイニス、マクルーハン、ベンヤミン、キットラー、デリダを読み解き、整理し、ルーマンに引き継いでさらにそこを越えていこうとする試み。ルーマンに費やされた硬質ながらも明快な300ページはルーマン入門書としても優れている。体系的に読む、書くという行為がいかに難しく尊いものか考えさせられる。ここまで読み込んでもこの本への批判も少なからずあるようだ。ただし私のような浅学の徒は当分頭を垂れることしかできそうにない。2009/05/05

non

4
久々に再読。メディア論の先鞭をイニスに置き、メディア理論史をルーマン以前/以後に区分している。イニスを先鞭に置いているのは、社会の構成単位をコミュニケーションに置くルーマンへの接続を狙ったものだろうが、このメディア理論史からルーマンへの接続、そして、晦渋で知られるルーマンへのメディア論的なアプローチ、解読は見事で鮮やかである。ただ、著者自身メディアのマテリアリティに関して留保しているとはいえ、ルーマンから帰結する汎メディア主義には議論の余地が残ろう。2013/07/27

かとたか

1
メディア論初学者の私にとって、天才的な労作に感じた。哲学者の立場から、メディアを捉えると、こうなるのだということをよくよく思い知った。ほとんどの引用文献に哲学以外の社会科学が含まれるが、それを哲学者として考察を加えている。哲学者として、と私が感じるのは、とても網羅的で、文体に緻密という点である。この特徴は、なかなか他の社会科学では味わえない。人文科学の力を感じた。ただ、難解な点が多い。師である廣松渉先生の影響だというので、廣松渉哲学にも今後触れてみたいと思う。2022/07/25

たろーたん

1
ルーマンの所が複雑で挫折してしまった。著者の本意ではないと思うのだけど、先行研究のところが一番面白かった。メディア論としての小包の比喩を覆すデリダや、メディアは現実を映すとされているけど、それさえもシミュラークルの乱舞・継起であり、真実化は分からないとするメディア論の極北としてのボードリヤールとかすごい面白かった。2021/04/19

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