内容説明
〈永遠の戦士 エルリック〉第4巻。ひかわ玲子(作家・本書解説者)絶賛!--「ああ、わが青春のエルリックよ! これを読めるようになるまで、生きていてよかった」
最愛の妻を何者かに拉致されたエルリック。魔剣ストームブリンガーを手に探索の旅に出るが、〈新王国〉の地は、〈混沌〉と手を結んだパン・タン=ダリジョール連合軍に侵略されつつあった。戦乱の渦中に否応なく巻きこまれるエルリック。だがこれらは、迫り来る〈混沌〉と〈法〉の怖るべき戦いの前哨戦にすぎなかったのだ!「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」の3中篇と、表題長篇『ストームブリンガー』収録。 /掲出の書影は底本のものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
11
終盤の疾走感と吸引力がものすごい。絵になる場面が目白押しだった。野田昌宏は「SFは絵だ」と喝破したが、ムアコックを読むとファンタジーこそ絵だと思わされる。2022/07/10
to_chan
9
これまでは短編中編だったシリーズが、最後の「ストームブリンガー」は長編サイズで《混沌》と《法》の最終決戦が描かれていて、盛り上がる。展開が唐突というか、戦いの手順も道理も、とにかくこうだってきまってるからこうなんだよ!みたいな。…うまく説明できないけど、そこがエルリックが奉仕する《運命》の虚しさと相まって気持ちよい。最高の中二病小説であった。次の巻、どうなってんのこれ。2023/03/05
しまっち。
8
うわ~、やっぱりこんな救いのない結末。でも、これ以外ないのか・・・とも思う。最後は映画のエンディング のように、「完」の文字がどどーんと見えた。結局は課せられてしまった役割を全て引き受けて行動したエルリック。物悲しくも力強い。ちょっと一息ついてから続きを読む事にしよう。2017/11/08
uchi
7
読み終えてみれば、まさしくタイトル通りの内容。エルリックの放浪の行き着く先、法と混沌の決着。永井豪の『デビルマン』の読後感に近い。満足。え、まだ1巻あるの?2025/12/03
saladin
7
この『ストームブリンガー』が旧訳版の最終巻に当たり、一応の完結を見ている。〈新王国〉が〈混沌〉に侵されていく描写は絶望に満ちている。エルリックの愛する人々の死がそれに拍車をかける。そしてその悲劇的な最期も深い余韻を残す。圧倒的なスケールで描かれた(一応の)最終巻にふさわしい幕切れだ。2020/06/30
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