内容説明
名門マッコイ家の長男が亡くなり、サラはその隠し子クーパーに会いに行く。サラが要職につく、マッコイ・エンタープライズの重役として迎え入れたいと要請するためだ。クーパーは自身の出生の秘密を知りながら、ずっと一人で亡き母親を支えてきたのだという。今や自ら地位も得た彼は、蔑みの表情を浮かべながらも驚いたことにあっさりとサラの申し出を受け入れた――復讐のためにマッコイ家に乗り込むつもりだ、と言い放って。言葉を失うサラに、クーパーは唇の端でほほ笑んで言った。「まず手始めに、君を誘惑してみてもいい」★ロマンティック・タイムズ紙でも絶賛された大型新人リア・ヴェールのミニシリーズ『孤独な紳士たち』。お互いに存在も知らなかった4人の億万長者の兄弟たちのラブストーリーです。★
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
15
ヒーロー、ヒロインそれぞれの心情が丁寧に書かれていて再読でも飽きず一気読み。ヒーロー祖父の温かで誠実な人柄やヒーローが倫理観を失わず育ったことを思うと亡くなった父親っていったいどんな人だったのかとあれこれ考えてしまう。物語の冒頭ですでに故人なので実際に起こった出来事で判断すると”ろくでなし”としか思えない。でも登場人物は主人公たちはもちろん、会社に勤める人々、屋敷の使用人に至るまで誠実な人ばかり。そうなると逆に不思議なのです。異母兄弟があと3人もいるので、シリーズのどこかではっきりするのか?実に気になる。2015/07/03
糸車
11
ヒーロー祖父ジョセフは本物の紳士。寛大で思いやり深く誠実。亡父に対する復讐のきっかけを探しながらも卑劣な行いはできないヒーローも誠実で全うな感覚を持つ。身近にお手本となる男性がいなかったにも関わらず!異母兄も真面目に育っているし。ろくでなしは父だけなのね。またヒーローの上司で副社長のヒロインの高潔さが素晴らしい。ジョセフに対して家族同様の愛情を持つ彼女が仕事と愛との板挟みになってしまう図は胃が痛い。彼女の辞表に秘書が泣き崩れるほど慕われているのも微笑ましい。ヒーローの心の動きがじっくり描かれていたのが○。2015/02/24