内容説明
ガラス瓶は、わが国では主に近代以降生産・流通するようになったガラス製容器であるが、近代を語る物質資料として注目されてこなかった。しかし、近年は全国各地で実施される発掘調査においてガラス瓶が出土することも増えてきている。本書は、考古学界で初めてガラス瓶を取り上げた著作で、ガラス瓶の技術史的・文化史的背景について触れながらガラス瓶の観察方法や研究方法について解説した。
また、実際に近現代遺跡から出土したガラス瓶を分析することにより、考古資料としてガラス瓶を位置づけるとともに、その土地の歴史を語る物質資料としてのガラス瓶の可能性を引き出した。本書は考古学や物質文化研究を志すものにとって必携の書である。
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感想・レビュー
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ガラスはガラスでもここにはビール瓶やサイダー瓶、ラムネ、ワイン、ウィスキーなど懐かしいガラス瓶をはじめ、点眼器、薬品瓶、化粧瓶など近代において製造技術が発達し多様化してきたものばかりが登場します。近現代考古学と呼ばれる分野です。近現代社会が形成されるにつれ、日本の生活様式も大きく変化し、衛生面への配慮やデザイン性の重視といった近現代ならではの考え方が登場しますが、それが近現代遺跡から発掘されるガラス瓶を通してみることができるという主張のもと、普通なら廃棄されるガラス瓶に着目した内容でとても面白かったです。2012/02/21