内容説明
その日の朝、ホテルのテラスで出会った無礼な態度の男が、エドワード・カーライルだと知って、ジュリエットは茫然とした。彼は二カ月前に亡くなったカーライル不動産の社長の長男で、遺産として会社の経営権を五十パーセント受け継いでいる。残りの権利は社長の個人秘書だったジュリエットが譲り受けた。だが、エドワードの承諾なしには何も決定できないのに、国際的ホテルチェーンの社長である彼は、会おうともしない。ジュリエットは仕方なく、エドワードがこのホテルに来るという情報を頼りに捜していたのだ。彼はわたしが誰か知ったうえで、不意をつく機会を狙っていたんだわ。でも、こんな魅力的な男性だとは……。そのとき、彼女の心に七年前の悪夢のような出来事がよみがえった。★
感想・レビュー
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糸車
7
故人とはいえ身近な人がやってきたことのつけで生きている人が苦しめられるのは間違っている。ヒーローも彼の父と弟が好きじゃなかったと告白してますが、ヒロインは彼らのしてきたことの直接の被害者。それも何年も誰にも言えないままで、あげくに好きになってしまったヒーローからひどいことを言われ続けたり、可哀想過ぎる。間に入って本当のことを言ってくれた家政婦さんがいなければヒーローはずっとヒロインのことを誤解したままだったんだろうか?ヒーローの個人秘書がとても素敵な女性で優しく、なんか、このお話の唯一の救いだった・・・。2014/08/05