内容説明
荒れ果てた家を前にメラニーはため息をついた。つきあっていた恋人が妻帯者だとわかり、姉の勧めで祖母の遺した海辺のコテージに滞在することにした。もう二度と恋などしたくはないから、人里離れたこの家は今の私にはきっとぴったりね。さっそく家の掃除を始めたメラニーは、玄関のドアを叩く見知らぬ男性の姿に驚く。侮蔑の表情を浮かべているものの――なんてハンサムなのかしら。男性は、荒れた庭に我慢がならないのだと言う。手入れを手伝うという申し出を、メラニーは思わず受け入れるが……。★今月からミニシリーズ『ばら色の恋』が始まります。それぞれに恋の悩みを抱えた四姉妹が、祖母の遺した海辺のコテージで新たな恋を見つけていく物語です。★
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
13
初めてシリーズ物を全巻揃えました。美しい四姉妹の物語。都会で傷ついたメラニーは祖母が愛した家にやってきて、問題を抱えた娘を男手ひとつで育てている造園家に出会う。この作者さんらしくお節介な友人と家族が登場し、なにひとつ隠しておけない小さな町で展開する一見穏やかな恋物語。でもこの関係が否応なく幼い子供を巻き込んでしまうのも分かってしまう誠実なふたりの葛藤。プロポーズを断られても淡々と雑草を引き土を入れ種をまき、こつこつと庭を作り上げるマイクの姿に言葉にできなかった思いを汲み取るメラニー。地味ですが素敵なお話。2015/03/12