民衆の古代史 - 『日本霊異記』に見るもう一つの古代

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民衆の古代史 - 『日本霊異記』に見るもう一つの古代

  • 著者名:吉田一彦
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 風媒社(2006/04発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784833105330
  • NDC分類:184.9

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内容説明

日本古代の社会体制を「律令国家」と捉えることは、はたして真実といえるのか。最古の仏教説話集『日本霊異記』をひもときながら律令からはみ出して生きる民衆の鮮烈な実像に迫る。
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目次

1 『日本霊異記』の面白さ
2 魚を捕る人々
3 「村」とは何か
4 金融、女性、市
5 仏教の流行と私度の僧尼
終章 「律令国家論」を越えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

15
『日本霊異記』をベースにして登場人物たちの生活を、奈良時代の律令国家の成り立ちやそれに則った国家運営の在り方を絡めて解説していく。『日本霊異記』は大好きで何度も読み返していますが、奈良時代やその当時の社会制度については学校の授業で聞き流した程度の知識しかなかったので、知らないことばかりでとても面白かったです。民草を管理して国家としての体をなすために古来からみんないろいろと考え、ときには脱法違法行為も見て見ぬ振りをして、試行錯誤しながら歩んできたんだなと考えると、政治というものにも親近感を覚えます。2022/09/27

moonanddai

9
「日本霊異記」という仏教説話集をもとに、奈良時代の人々の生活を探る。仏教の普及、漁業者の生活、経済金融活動、生活の基礎である「村」。これはこれで面白かったが、(副題にもある)「もう一つ」の意味も面白い。つまりこれまで教科書で教え込まれた「律令国家」という「一つ」のパラダイム」に対する問いかけ。律令は根本法とは言えず、統治主体たる天皇制、都、銭貨などは規定されず、刑法そして行政細則が規定され、刑法も実施されていたかが疑問視されるという。なるほどねぇ…、やはり教科書的歴史から一歩引いて考えた方がいいのですね。2021/03/02

カゲツナ

3
日本霊異記をより深く理解する助けになる本ですね。2014/02/10

ELW

1
里,郷,村の分別が丁寧でよかった。非農業生産者による贄の規定はどこにあるのだろう。私度僧が律に即して罰せられないのは民衆の慰撫に影響があるからでしょうか。 あまりに程度のひどいのは淘汰されたのかもしれない。2018/09/09

Mentyu

0
日本霊異記をネタとして古代社会に生きた人々の営みを読み解いていくという内容。物語の考察を淡々と行うのではなく、律令法施行の実態という観点から登場人物の行動を分析していくというのは独特で面白いと思った。最終章では律令国家という用語の是非について論じており、律令法が貫徹されていない以上は、律令国家という名称は改めるべきという持論を述べている。これについては、近現代の法治国家でも全ての法が機能している訳ではないので、興味深い問題提起ではあるけれども、いささか早計ではないかという気もした。2017/11/02

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