内容説明
21世紀に生きる私たちは、様々なメディアに囲まれ、間接的でバーチャルな経験が増大する一方、生活から身体を通した直接体験が減少しています。それは、子どもたちも同様で、生身の身体を通した遊びの経験が次第に遠いものになっています。本書では、メディア時代の子どもに生身の身体を通した遊び経験の復権を願い、「求められる遊び経験」とは何かについて、(1)生身の身体を通した遊びの重要性、(2)子ども自ら環境とかかわり遊びを生み出す過程の意義、(3)現実と虚構を往還することの意義、(4)経験の共有とストーリー生成、などの側面から論じます。
目次
第1章 メディア時代の子ども(消費社会を生きる子ども;希薄化する生身の身体を通したかかわり)
第2章 求められる遊び経験(保育の場に「生身の身体経験としての遊び」を!;環境から「行為可能性としての情報」を読み取る子ども ほか)
第3章 求められる保育者の専門性(保育者の専門性とは;保育者としてのメディアリテラシーの獲得を!)
第4章 保育者として遊びの読み取りを!―遊び研究の試み(感情の読み取りから遊び理解を深める―東京都文京区立本駒込幼稚園の取り組み;遊びカードの活用から遊び理解を深める―横浜市私立幼稚園協会の取り組み ほか)
終章 メディア時代に生の実感を!