内容説明
会計検査係として企業に勤めるイレーヌはオーロラの町で静かな生活を送っている。幸せな思い出も悲しい記憶も、すべてこの町で味わった。とりわけ、最愛の男性クレイ・キャバノーとの思い出は……。至福の日々は、彼の身勝手な決断によって終わりを告げた。そう、彼はひとりの女性に縛られたくなかったのだ。ある日イレーヌは偶然上司の不正を知り、告発を決意する。内部告発者を保護するため、警察から担当者がやってきた。ドアを開けた瞬間、イレーヌは目を疑った。忘れえぬ恋人。永遠のプレイボーイ。そこには、クレイが苦い表情を浮かべて立っていた。★RITA賞受賞作家M.フェラレーラの連作『キャバノー家の真実』。スリリングな事件にからめて家族の絆があたたかい筆致で描かれた秀作です。★
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
25
22歳の男性が結婚に尻込みするのは別におかしくないと思うし、愛妻を失った父の苦悩を見て育ったヒーローが人を愛することそのものを恐れているのは仕方がないのかも。両親から愛されなかったヒロインが子どもを理由に結婚したくないと思ってしまうのも分かる。別れた二人が事件をきっかけに再会し、相手への愛が消えていないことを思い知らされる。ヒーローの実家、キャバノー家のおとうちゃんが素敵です。家族が固い絆で結ばれているのは彼の頑張りがあってこそ。そう言えばずっと前に読んだお転婆末っ子のお話でもおとうちゃんが印象的だった。2017/04/27
akiyuki_1717
3
シリーズ2作目。1作目と同じくサラリと読めました。シークレットベビー物です。ヒロインが内部告発をすることで警護を受ける必要に駆られヒーローの実家に住むことになるんだけど、ヒーローの家族もヒロイン親子もいい人ばかりで、温かい気持ちで読み進められるのが気持ちよかった。22歳のヒーローは若すぎたし、当時ヒロインが別れた後に妊娠を告白しても、ヒロインの生い立ちからしても上手くいかなかっただろうから、再会のタイミングが良かったと思う。ヒーローが父親だと知らされた時の息子の様子を描いて欲しかった。2018/03/28