内容説明
ウエイトレスとして働くブルックはある雪の夜、店の外に突然現れた黒ずくめの男性にどきりとした。もう閉店間際で店には誰もいない。不安を感じたブルックはドアの鍵をかけようとしたが、ガラス越しに男性と目が合って手をとめた。孤独に満ちた眼差し。まるで置き去りにされた子供のようだわ。彼は唇についた粉雪を、確かめるように舌で味わっていた。大人の男性が雪をなめたりするかしら? この人は何者なの?彼を店に招き入れた瞬間、ブルックは後悔した。麝香(じやこう)の香りをまとった“海賊”が静かに彼女を見下ろしていた。★政府の遺伝子実験で生まれ、直後に引き裂かれた天才児たちの数奇な運命を描くサスペンス連作『闇の使徒たち』。世間から隔離され、厳しい管理下で育ったギデオンは愛を取り戻せるのか?★
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
5
ヒロインはウエイトレス。ヒーローは大事件の首謀者とされている天才兄弟。弾丸摘出手術の後、20年以上隔離施設で人との接触を断たれ、嘘と薬物入りの食事を与えられてきたヒーローの身の上が辛い。ヒロインも暗い過去を持っているけれど重くなり過ぎず、純粋な二人のロマンスを楽しめてよかった。ラストの展開が微妙だったことを除けば結構好き。9作目と思い込んでいたけれど、読み終わって11作目だったと気付く…。2019/03/04
mum0031
2
ウエートレスのブルックと、ギデオン(アキレス)。 欺かれ、人との接触や食物制限が あり、隔離施設で20年。 その間、犯罪に加担させられ続けて来たギデオン。確かに、選択の余地はなかった。2017/09/24