ホテルの社会史

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader

ホテルの社会史

  • 著者名:富田昭次
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787232564

ファイル: /

内容説明

戦後の進駐軍による接収からバブル経済崩壊までのホテル産業の発展と業界人の欲望や夢、それらを突き動かした社会の変化を文献・史料を渉猟して整理し、関係者の証言で当時の状況を生き生きと再現して、ホテルという華やかな舞台を通して戦後日本をたどる。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

目次

まえがき

第1章 進駐軍の接収と戦後の復興
 1 接収の瞬間
 マッカーサー元帥を応接した名うてのホテルマン/全国のホテルで始まった接収という前代未聞の出来事/奈良ホテルに亡命滞在していたフィリピン大統領、投降す
 2 接収下の運営
 進駐軍から得たもの、それは徹底した衛生管理だった/接収下のホテルを明るく彩った芸能人たちの活躍/民間貿易再開のためにバイヤーズホテルを国営で開設
 3 復興の萌芽
 民主化に伴って相次いで従業員組合が結成される/ホテル関係教育機関が始動。関連の法律も整備される/聞こえ始める復興へ向けてのホテル建設の槌音
 4 接収解除
 宿泊客ゼロでも全館を大量の石炭で暖めた志摩観光ホテル/対日講和条約の発効で順次接収から解除される/ホテルに悲喜こもごものドラマを生んだ接収解除

第2章 大物財界人の活躍
 1 堀久作と堤康次郎
 講和条約前にいち早く動いて一等地にホテルを開業した日活/旧皇族・旧華族の邸宅に着目した堤康次郎の才覚/独特の風情を見せていた初期のプリンスホテル
 2 五島慶太の遺産
 鮎川義介の仲介と計略で日の目を見たヒルトンとの提携/半ばしろうと集団の反骨精神が都市ホテルのひな型をつくった/生みの苦しみを味わって開業した東京ヒルトンホテル
 3 挫折を招いた過剰投資
 誕生から曲折の道を歩んだホテルニュージャパン/数奇な運命をたどって横井英樹の手に落ちる/苦境に陥った札幌のホテルを救う萩原吉太郎
 4 勝者と敗者
 事業の神様が汚点を残した札幌の高級ホテル事業/ホテル三愛から生まれ変わった札幌パークホテル/政商・萩原吉太郎のもとで発展した三井観光開発
 5 小川栄一と藤田観光【前篇】
 魁偉な容貌そのままに広壮な考えを抱いた男/旧財閥の遺産を生かして大衆温泉リゾートに成功/大衆の心理を巧みにつかんだ経営戦略
 6 小川栄一と藤田観光【後篇】
 東京ヒルトンホテルを手本にした名古屋国際ホテル/のちに初の女性総支配人となる秋田美津子の入社/小川自身は果たせなかった椿山荘の世界第一のホテル
 7 大倉喜七郎の復活【前篇】
 野田岩次郎に救われた川奈ホテルとゴルフ場/習慣となった週末の川奈滞在で財界人と交流/穏和な空気のなかで伝統を守ったたぐいまれな厨房
 8 大倉喜七郎の復活【後篇】
 明治時代に払い下げられた本邸敷地をホテル用地に/日本の文化・美術・伝統を取り入れた基本路線の決定/意匠委員会まで設けて日本美を追求した完璧主義

第3章 高度経済成長の下で
 1 二つの意味で和を重んじたホテル
 浩宮誕生と同じ年月に設立されたパレスホテル/前代未聞のアイデアが盛り込まれたホテル設計/労使間の関係を良好に保った従業員互助会
 2 東京の奥座敷・熱海の変容
 それは一軒の小さな干物屋から始まった/街中から非難を浴びた錦ヶ浦でのホテル建築/団体客から家族客に切り替えた策が奏功
 3 歴史の町が求めたホテル
 へこたれない理想主義者が生んだ理想のホテル/水島の工業地帯の発展とともに成長/池波正太郎が感動した工場跡地の変容ぶり
 4 異色事業家の夢と野望と【前篇】
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゼロ投資大学

2
時代を変遷しても必要とされるホテルの役割。本書では、戦後からバブル崩壊後まで日本におけるホテルの役割がどのように変化してきたのかを解説する。2021/09/21

iqo720

1
タイトルに偽りなし。 ホテルを中心として日本の戦後史を述べている。 各都市や日本を代表するホテル誕生のいきさつが丹念に書かれており、日本の近現代史とのつながりがよくわかる。 筆者には是非、平成史も書いてほしい。2013/01/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/664146
  • ご注意事項